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奥蓼科・明治温泉|何も知らずに入っていたら、宿が江戸時代から伝えてきた入り方と同じだった

奥蓼科・明治温泉の湯船を描いた水彩画。鉄褐色の湯と、窓の外の紅葉 温泉のある場所

長野の奥蓼科に明治温泉という宿がある。山をずいぶん登った先にあって、秘湯という言葉がそのまま当てはまる場所だ。

山の宿 明治温泉の玄関。木の看板と「山の宿 明治温泉」ののぼり
山の宿 明治温泉

駐車場に車を停めると、宿で飼われている秋田犬らしき子が出迎えてくれた。渋川という川のすぐ横に建っていて、玄関を出るとそのまま横谷峡の遊歩道につながっている。

着いてすぐ、カレーは食べられなかった

宿に着いたのは11時だった。名物のカレーをお昼にいただけるか聞いてみたら、手が回らないので予約制になっていますとのことだった。

その後の対応が親切だった。外を散策してきてもらってもいいですし、そろそろお風呂の掃除も終わるのでお風呂に入ってもらうこともできますよと、こちらの都合を先に考えて教えてくださったからだ。

明治温泉の駐車場で出迎えてくれた秋田犬
駐車場で出迎えてくれた

お昼も食べたかったし、翌日が雨の予報だったので御射鹿池も見ておきたかった。なのでごはんを食べたりうろうろしてまた戻ってきますと言って、いったん外に出た。

途中で入ったカフェに置いてあった紙で、宿の裏から散策コースを歩けることを知った。

湯船が三つあって、どれも温度が違う

お風呂には湯船が三つある。冷泉とぬる湯とあつ湯だ。

明治温泉の冷泉。右側にあつ湯が見える
手前が冷泉。右に見えるのがあつ湯

源泉は23度ほどなので、そのままだと冷たい。冷泉はその源泉をそのまま使っていて、ぬる湯とあつ湯は温めてある。ただしあつ湯といっても入った時は40度くらいで、よその温泉のあつ湯とくらべるとずいぶん低い。

つまりこの宿は、全体にぬるい。

それで私はシャワーの水も使うことにした。あつ湯、冷泉、水シャワー、ぬる湯、あつ湯という順番だ。ぬるいお湯ばかりだと体が反応しないので、水シャワーで一度キュッと締めて、体に自分で熱を作らせる。そうやってメリハリをつけて入っていた。

結局この宿では一泊で五回お風呂に入った。着いてすぐの15時から16時半、夕食のあとの20時から21時、翌朝の4時45分から5時45分。そして朝食が6時からだと思い込んでいて、上がってから7時30分開始だと気づいたので、6時10分から7時までもう一度入った。朝食のあともまた入って、お風呂が9時までなので8時50分に上がった。

30分を過ぎると、肌がピリッとしてきた

入っているうちに、肌が少しピリッとするような感じがしてきた。だいたい30分を過ぎたあたりからだ。

気になって分析書を読んでみたら、pH3.6の酸性だった。

草津温泉も酸性のお湯だけれど、あちらは温度が高いので30分も入っていなかったと思う。当時は今のように水シャワーを使うこともしていなかったので、30分以内には上がっていた。なのでこのピリッとする感じは、今回が初めてだった。

同じ酸性でも、長く浸かれるかどうかで体に届くものが変わる。ここはお湯がぬるいおかげで、酸性のお湯に長く入ることになる。それで薄く反応が出たのだと思う。

痛いのでも痒いのでもない。肌が反応しているのが分かるという程度で、不快な刺激ではなかった。

なお掲示には、衛生管理のため塩素系薬剤を使っていると書いてあった。ただしどの湯船に使っているかまでは書かれていない。濾過をしているのはあつ湯だけなので塩素もあつ湯だけかもしれないけれど、そこは確かめられていない。いずれにしても塩素の匂いは全くしなかったし、目にしみる感じもなかった。このピリッとしたのは酸性のせいだと思う。

分析書には他にも面白いことが書いてあった。鉄が入っていて、炭酸も遊離二酸化炭素で649ミリグラム含まれている。知覚的試験の欄には「鉄味・炭酸味・微酸味を有す」とあった。夫が「鉄を含む湯だから、ちょっとの温度変化で熱く感じるのかもしれないね」と言っていたけれど、鉄が入っているのは本当だった。

とにかくトイレが近い

ここが今回いちばん驚いたところだ。

入っている最中からトイレに行きたくなる。しかもお風呂から出たあとも2時間くらいは行きたくなるし、量もしっかり出る。

困るのは、宿のお風呂が地下1階にあって、その階にはお手洗いがないことだ。1階か2階まで上がらないといけない。つまりトイレに行きたくなった時点で、体を拭いて服を着て、その回のお風呂は終わりになる。まだ入っていたくても続けられない。

こんなに極端なのは初めてだったので、あとから調べてみた。

温泉に浸かると水圧がかかる。首まで入れば、手足にあった血液が体の中心に押し戻される。ここまでは以前に書いた話と同じで、あちらでは中心の血液量が増えて血圧が上がり、それをセンサーが感知して心臓にブレーキをかける、というところまで書いた。

その続きがあった。

血液が中心に戻ってくると、心臓の上の部屋が内側から伸ばされる。すると心臓は血が多すぎると判断して、水を捨てるようにというホルモンを出す。同時に、尿を減らすほうのホルモンが抑えられる。出す指示と、止める指示の解除が、同時に起きることになる。

そして大事なのはここからだ。この反応は、水が冷たいほど強くなる。

水温を変えて比べた研究がある。32度以下だと尿の量が6倍に増えたのに、36度以上では3倍にとどまった。冷たい水では手足の血管がキュッと縮むので、中心に戻る血液がさらに増える。それで出る量も増えることになる。

明治温泉はこの条件がそろっていた。23度の冷泉があって、あつ湯でも40度と低い。おまけに私は水シャワーまで足して何度も往復していたので、トイレが近くなって当たり前だった。

二日目は、そこまでではなかった

面白いのは翌朝のことだ。

前の日ほどトイレが近くない。ピリピリも収まっていた。近いことは近いけれど、前日の極端さはなかった。

何が違ったのかを考えてみたら、あつ湯の温度だけが変わっていた。

冷泉は冷たいままだし、ぬる湯も冷たいままだ。ところがあつ湯は、夜からずっと温度が上がったままだった。入った瞬間に「あつ!」と声が出るくらいで、体感では45度くらいあったかもしれない。あとで宿の方に「熱くなってしまってましたよね」と声をかけられたので、狙ってそうしていたわけではないらしい。人が入らない時間が続くと、そうなることがあるのだと思う。

前の日は40度のあつ湯だったので、三つとも尿がよく出る側の温度だった。二日目は熱いあつ湯に入ったぶん、ブレーキがかかったことになる。熱い湯では汗をかくので、体は水を守ろうとして尿を減らすほうのホルモンも出す。

同じ宿の、同じ三つの湯船だ。それなのに温度がひとつ変わっただけで、体の反応が変わった。泉質は一日では変わらないので、これは温度だけの話になる。

指先が、翌日まであたたかい

もうひとつ、朝に気づいたことがある。

入ってしばらくすると、指先がドクドクしてきた。上がってからも指先が熱を持っている感じが続いて、しかもそれが翌日になっても体感で分かるくらい残っていた。

この感じは滋賀の蒲生野の湯の冷泉に長く入った時と似ている。ただし明治温泉のほうがはっきり強い。末端の温まり方がすごかった。

冷泉には打たせ湯がついている。肩より高いところから落ちてくるのだけれど、強い刺激ではない。本当に源泉が湧き出てきているようなポコポコした感じで出ていて、すごくやさしい力で打たれる。

ひとつ書いておくと、体の芯から冷えている人には、日中のぬるいあつ湯はつらいかもしれない。ただし夜になると温度がかなり上がるので、その時間に入ればいいと思う。あつ湯が熱い時間でもぬる湯があるので、そこは困らない。

壁に「入浴のしかた」が貼ってあった

帰る前に、廊下の壁に大きな板が掛かっているのに気づいた。「明治温泉の入浴のしかた」と書いてある。読んでみて驚いた。

廊下に掛かった板「明治温泉の入浴のしかた」と、源泉についての説明
廊下に掛かっていた板と、源泉についての説明

入浴のしかたは、お湯と冷泉に交互に入る事により健康になると伝えられています。

冷泉に入る時、大変冷たく感じますが肩まで入りますと以外と温かく感じ、肩や腰など滝に打たせますと実に爽やかで温かくマッサージと同じ効果があります。

どちらも一度に長く浸かるより、一日に何度かに分けて入浴した方が効きます。

私がやっていたことが、そのまま書いてあった。

お湯と冷泉を行ったり来たりしたのも、 一度に長く入らずに一泊で五回に分けたのも、誰かに教わったわけではない。自分の体が気持ちいいほうを選んでいたら、そうなっていた。

その入り方を、この宿は昔から伝えてきていた。板には明治温泉が江戸時代の中頃に発見されて、近郊の農家の湯治場として親しまれてきたことも書いてあった。宿の開業は明治21年だそうだ。

農家の人たちが仕事の合間に来て、お湯と冷泉を行ったり来たりしていた。それと同じことを、私は何も知らずにやっていた。

三つの湯船は、扱いが全部違っていた

同じ壁に「明治温泉源泉について」という紙も貼ってあって、そこにはもっと細かいことが書いてあった。

当館の源泉は、この風呂湯より15m位離れた滝の上部より太古の時代から自然湧出しております。

そこには、明治29年に建てられた温泉の神も祀られております。

浴室の打たせ滝となっておりますのが源泉です(冷泉)

それを二つの浴槽に入れ加熱循環しております。

内湯は濾過装置を通して加熱しています。外湯は濾過装置を使用しておりませんので、時によっては鉄褐色になったり又薄青色になる事もあります(ぬる湯)

すべての浴槽に水道水等を混ぜている事はありません。

読んで整理すると、こうなる。

  • 冷泉(打たせ湯) … 源泉そのもの。加温も濾過もなし
  • ぬる湯 … 加温してあるが、濾過はしていない
  • あつ湯 … 加温して、濾過もしている
  • どの湯船も水道水は混ぜていない
明治温泉のあつ湯。鉄褐色のお湯。奥にぬる湯が見える
あつ湯。奥に見えているのがぬる湯

源泉かけ流しの見分け方を調べた時に、同じ施設でも浴槽ごとに扱いが違うことがあると書いた。ここはまさにそれで、しかも宿のほうから進んで説明してくれている。

そして紙にある通り、ぬる湯は鉄褐色だった。濾過していないから、鉄が空気に触れて色が出る。書いてあることが、そのまま湯の色になっていた。

明治温泉のぬる湯。鉄褐色のお湯と、窓の外の色づいた木
ぬる湯。窓が全部開けられる形になっている
明治温泉の温泉成分・禁忌症・適応症等の掲示
加水・加温・循環・消毒についての掲示

「明らかに治る」から来た名前だった

板にはもうひとつ書いてあった。

明治温泉の由来は「明らかに治る」という事から名付けられております。

これを読む前に、私は「ここで本格的に湯治をしたら本当に治りそうだ」と思っていた。一泊しただけで末端の温まり方がこれだけ変わったからだ。

先に体で思って、あとから名前の由来を知った。順番が逆だったけれど、そのぶん腑に落ちた。

色も匂いもあるのに、泉質は単純温泉だった

ひとつ不思議なことがある。

この温泉の泉質は単純温泉だ。

単純温泉というと、無色透明で味も匂いもない、おとなしいお湯を思い浮かべていた。でも明治温泉は違う。ぬる湯は鉄褐色になるし、分析書には鉄味・炭酸味・微酸味とある。pHは3.6の酸性で、肌がピリッとする。これだけ特徴があるのに単純温泉というのは、どうにも噛み合わない。

調べてみたら、単純温泉というのは成分が薄いという意味ではなかった。

温泉には泉質の名前がいくつもあって、それぞれに決められた数字がある。その数字に届いた成分があれば、その名前がつく。どれにも届かなかった時に、単純温泉になる。

明治温泉の数字を、その基準と並べてみた。

泉質の名前名前がつく基準明治温泉
含鉄泉鉄が20mg以上18.2mg
二酸化炭素泉二酸化炭素が1000mg以上649mg
酸性泉水素イオンが1mg以上0.3mg

全部、あと一歩で届いていない。

鉄はあと1.8ミリグラムだ。もう少し入っていれば含鉄泉になっていた。炭酸も酸性も同じで、手前で止まっている。

そして溶存物質の総量は795.9ミリグラムだった。単純温泉は1000ミリグラム未満と決まっているので、ここにもぴったり収まる。

つまり明治温泉は、特徴がないから単純温泉なのではなくて、どの名前の基準にも一歩ずつ届かなかったから単純温泉だった。鉄の色も炭酸の味も酸性のピリピリも、ちゃんとある。ただ名前をもらえる量ではなかった、というだけだ。

ちなみにこの旅の三日目に入った岐阜のひめしゃがの湯は、炭酸が1171ミリグラムあって二酸化炭素泉の基準を越えていた。同じ旅で、境目の手前と向こうの両方に入ったことになる。

単純温泉は効能が少なそうと思っていた頃の私なら、この宿を素通りしていたかもしれない。名前で選ばなくてよかったと思う。

分析書の別表には、泉質別の適応症として自律神経不安定症、不眠症、うつ状態と書いてあった。一般的な適応症のほうにも冷え性と末梢循環障害が入っている。私がこのブログで書いてきたことが、そのまま並んでいた。

この旅の二日目の夜に入った岐阜のしみずの湯も単純温泉で、別表にはまったく同じ言葉が並んでいた。ただしあちらは溶存物質が165ミリグラムしかないアルカリ性の湯で、こことは正反対のお湯だ。同じ名前でも、中身はこれだけ違う。

魚が棲めない池と、同じ水だった

宿に入る前に、御射鹿池(みしゃかいけ)という池に寄っていた。

御射鹿池。深い緑の水面にカラマツ林が鏡のように映り込んでいる
水面がそのまま鏡になる

東山魁夷の「緑響く」のモチーフになった池だ。水面がそのまま鏡になって、まわりのカラマツ林が映り込む。農林水産省の「ため池百選」にも選ばれている。

御射鹿池の説明板。農業用のため池で、酸性が強く魚は生息できないと書かれている
池のそばの説明板

池のそばの看板に、こう書いてあった。

御射鹿池は農業用のため池で、農林水産省の「ため池百選」にも選ばれています。東山魁夷が描いた「緑響く」のモチーフとなり、テレビCMなどで話題となりました。水質としては酸性が強く魚は生息できませんが、そのことから透明度は高くなっています。

酸性が強くて、魚が棲めない。だから濁らない。

そのときは「きれいな池だな」と思って通り過ぎた。この宿の分析書を読んだのは、そのあとだ。

酸っぱい水を、どう使ったか

池のところに、もう一枚大きな案内板があった。そこに全部書いてあった。

奥蓼科の案内板。渋川は魚も住めない強酸性で、御射鹿池は水を中和するためのため池だと書かれている
奥蓼科の案内板。ここに全部書いてあった

神秘の水と苔 渋川(湯みち渓谷)

八ヶ岳の丸山と中山の間にあるサイノ河原に源を発する河川で、魚も住めない強酸性の水と、強酸性の水を好むチャツボミゴケが生息することが特徴です。渋温泉上の「第一堰堤」「北ノ沢堰の取水口」「おしどり隠しの滝」などでチャツボミゴケと水の絶景を見ることができます。湧出する酸性で鉄分の多い冷鉱泉が作る赤い鍾乳石や岩石と、流れ落ちる滝の水の白とのコントラストも絶景です。

「湧出する酸性で鉄分の多い冷鉱泉」。明治温泉の源泉が、まさにこれだ。pH3.6、鉄が18.2ミリグラム、27.2℃。そのまま当てはまる。

そして「おしどり隠しの滝」。案内板が絶景として名前を挙げているこの滝は、この宿のすぐ脇にある。私が行こうとして、橋が壊れていて行けなかった滝だ。

同じ案内板に、もうひとつあった。

笹原農家の生命線 北ノ沢堰・御射鹿池

渋川の水は強酸性で農業には不向き。笹原の先人達は、260年前に渋川から約7kmの用水を引き、2つのため池で水を温め中和化し、田の水へと変えていきました。昭和8年築造の「御射鹿池」は、池底のチャツボミゴケとカラマツ林の緑が相まって幻想的な光景を作り出しています。

あの池は、酸っぱい水を薄めるための池だった。

田んぼに使えない水を7キロ引いて、ため池で温めて中和する。260年前からやっている。そうしてできた池が、いま絵になっている。

そして同じ水を、この宿は薄めずにそのまま浴びている。冷泉は源泉そのものだった。打たせ滝に打たれれば、その水をまともにかぶることになる。

同じ一本の川の水を、片方は薄めて田に入れ、片方はそのまま体に浴びる。

30分入っていると肌がピリッとした。笹原の人たちが7キロかけて薄めようとしたのと、同じ酸だった。

窓口で声を出すと、奥から大きな声が返ってくる

この宿はオーナーさんがとても気持ちのいい方だった。

窓口で「すみませーん」と声を出すと、奥から大きな声で「はーい!」と明るく返ってくる。見た感じの雰囲気がもう陽だ。

明治温泉のロビー。薪ストーブがある
ロビー。薪ストーブがある

お皿を洗ったり、ごはんの支度をしたりと、スタッフの方と一緒に常に何か作業をされていた。宿の空気が明るいのは、たぶんこの方のおかげだと思う。

旅館の夕食にしては、量がちょうどよかった

旅館の夕食はたいてい多い。食べきれなくて、残すのが申し訳なくなることがある。

明治温泉の夕食。鳥なべときのこの盛り合わせ
鳥なべと、きのこの盛り合わせ

ここはそうではなかった。薄味で上品な味で、量がちょうどよかった。肉は少なめで野菜が多いのもよかった。旅館のごはんと思えないくらいで、湯治の宿の食事だと思った。

デザートは寒天で、レモンの味がついていた。

明治温泉のデザート。レモン味の寒天
レモン味の寒天

寒天は今まであまり使ってこなかった食材なので、これですごく見直した。ちょうど食物繊維は腸内細菌のエサになるということを仕事で調べたところだったので、デザートが寒天というのは体にとってすごくいいなと思った。

あとから知ったことだけれど、諏訪地方は寒天の生産量が日本一だ。夜が氷点下まで下がって晴れの日が多いという気候を使って、昔から作られてきたものらしい。土地のものがそのまま出てきていたことになる。

夫がテレビを消した

これには驚いた。

私は普段テレビを見ないけれど、夫はテレビっ子だ。部屋にテレビがあったのでつけてしばらく見ていたのに、途中から自分で消して、寝転んでくつろいだり、お風呂に行ったりしていた。

夫がテレビをあまり見ないというのは、なかなかない。お風呂以外の時間は、寝転ぶか外に散歩に行くかのどちらかを選んでいた。宿の空気がそうさせたのだと思う。

ここで本格的に湯治をしたら、と思った

この宿は場所がいい。蓼科なので、近くのカフェに入ってもくつろいでいる人ばかりで、町全体が静かで落ち着いている。ストレスフリーでいられる場所だ。

明治温泉の階段の窓から見える森とウッドデッキ
階段の窓から

部屋は古いけれど落ち着く。ゆっくりお風呂に入って昼寝をする、という生活にはぴったりだと思う。前に湯治で連泊した時のことを思い出しながら、ここで何日か過ごしてみたいと考えていた。

湯治のつもりで行くなら、予約のときに確かめておきたいことが3つある。

  • 素泊まりにできるか
  • 連泊の割引があるか
  • チェックイン前とチェックアウト後もお風呂に入れるか

明治温泉のページには、チェックイン前とチェックアウト後も休憩室とお風呂が使えると書いてあった(清掃やイベントのときは不可)。宿によって扱いがまるで違うので、予約のときに確かめてほしい。

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施設データ

  • 場所:長野県茅野市豊平字東嶽4734(奥蓼科)
  • 源泉名:明治温泉
  • 泉質:単純温泉(低張性弱酸性低温泉)
  • pH:3.60
  • 源泉温度:湧出地で23.6度、受湯槽で27.2度
  • 湧出量:毎分75.1リットル、自然湧出(掲示の板では毎分約140〜150リットルとある)
  • 源泉の場所:浴室から15メートルほど離れた滝の上部。明治29年に建てられた温泉の神が祀られている
  • 主な成分:硫酸イオン241.8mg、塩化物イオン156.2mg、ナトリウム106.2mg、メタケイ酸172.8mg、鉄(Ⅱ)15.6mg・鉄(Ⅲ)2.6mg、遊離二酸化炭素649.0mg。溶存物質量795.9mg、溶存成分総量1444.9mg/kg
  • 知覚的試験:微淡黄色、鉄味・炭酸味・微酸味を有す
  • 適応症(泉質別・浴用):自律神経不安定症、不眠症、うつ状態
  • 飲用:できません
  • 加水:なし(すべての浴槽に水道水を混ぜていないと掲示に明記)
  • 加温:あり(ぬる湯とあつ湯)
  • 循環ろ過:あつ湯のみ。ぬる湯は濾過していない。冷泉は源泉そのもの
  • 消毒:塩素系薬剤を使用(掲示による。どの湯船かは書かれていない。匂いは感じなかった)
  • お風呂:冷泉・ぬる湯・あつ湯の三つ。冷泉には打たせ湯がある。あつ湯の温度は時間帯でかなり変わる
  • ぬる湯:一番奥にあって、窓が全部開けられる形になっている(掲示では開放式露天風呂と呼ばれている)。週2回ほどお湯を入れ替えるので、朝8時以降は水位が低い場合がある。※男湯と女湯で配置が違う
  • 浴槽水検査:レジオネラ属菌 不検出(2024年12月・女湯)
  • 温泉の利用時間:チェックイン〜翌朝9時(清掃は9時から)。チェックアウト後も11時から無料で利用できる
  • 食事:夕食18時開始(20時まで)、朝食7時30分開始(8時30分まで)
  • チェックアウト:10時
  • 料金:一泊二人で36,300円。日帰り入浴は1,000円と書いてあった
  • アメニティ:シャンプー・リンス・ボディソープ・ドライヤーあり。宿泊に必要なものも揃っている
  • 枕:おそらく蕎麦殻で固め。柔らかい枕に慣れている人は圧迫感を感じると思う。湯治で長く泊まるなら自分の枕を持って行ってもいい
  • 全室禁煙
  • 周辺:玄関を出ると横谷峡の遊歩道(全長約3キロ)。右方向に乙女滝(落差15メートル)、左方向に霧降の滝(落差5メートル)。王滝までは登り45分ほど。横谷観音は車でも行ける
  • おしどり隠しの滝:宿のすぐ脇にある全長40メートルの段瀑。今回は橋が壊れていて行けなかった
  • 冬:アルパカが数頭やってくるらしい(八ヶ岳アルパカ牧場から)

※料金と営業時間は変わることがあるので、おでかけ前に公式サイトでご確認ください。

この旅で書いた6本

2026年9月の3泊4日。長野から岐阜・富山・石川をまわって、温泉に5つ入った。

▷ この旅のまとめ|5つの湯をくらべて分かったこと

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→ 次の記事:飛騨川温泉 しみずの湯|800円。夜の露天は38℃くらいで2時間いられた

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