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飛騨川温泉 しみずの湯|800円。夜の露天は38℃くらいで2時間いられた

飛騨川温泉しみずの湯の露天風呂を描いた水彩画。玉石を敷いた浅い湯船と、まわりを囲む木の縁台 温泉のある場所

明治温泉を出た日の夜に寄った。岐阜県下呂市の飛騨川温泉しみずの湯だ。

本当は平湯の森に行くつもりだったのだけれど、お昼すぎに着く予定で向かったら駐車場まで車が並んでいて入れなかった。連休だから当然といえば当然で、そこは諦めて先へ進むことにした。

それで夜になってから寄ったのがここだった。19時に入って21時まで。最終受付が21時なので、ぎりぎりまでいたことになる。

飛騨川温泉しみずの湯の入口。一枚板に彫られた「飛騨川温泉 しみずの湯」の看板
入口の一枚板の看板

800円。温泉にプールがくっついている

入浴料はお風呂のみで800円。小学生は400円で、小学生未満は保護者と一緒なら無料だ。

ここが少し変わっているのは、温泉にプールがくっついているところだと思う。お風呂とプールの両方を使うと900円になる。温泉プールと子供プールがあって、入るには水着とキャップがいる。

しみずの湯の総合案内。入浴料はお風呂のみ800円、お風呂とプールで900円
総合案内。お風呂のみ800円、お風呂とプールで900円

貸切の家族風呂もあって、こちらは5名まで2,800円で45分。回数券もあるので、地元の人が普段から通う場所なのだと思う。

お風呂とプールで脱衣所が同じだった

入ってみるとお風呂は空いていた。

ところが急に洗い場に人が溢れる時間がある。最初は何だろうと思ったのだけれど、よく見ていたらプールから上がってきた人たちだった。ここはお風呂とプールで脱衣所が共通になっていて、プールの後に体を洗って帰る人が多い。

しみずの湯の案内図。浴室と脱衣室と温泉プールがひとつながりになっている
案内図。浴室と脱衣室とプールがひとつながりになっている

案内図を見ると、浴室と脱衣室とプールがひとつながりになっている。若い人や家族連れはお風呂よりプールが人気なのだと思う。だから駐車場が混んでいても、お風呂のほうは比較的人が少ない。混んでいそうに見えても引き返さなくていい。

露天風呂がかなりぬるかった

この日いちばん体に残ったのが露天風呂だ。

かなり温度が低かった。体感で38℃くらい。内風呂もそんなに高い温度ではなかった。露天は深さも浅めになっている。サウナと水風呂は小さめで、水風呂は2人でギリギリ、こちらも浅い。

お湯そのものは柔らかくてクセがない。明治温泉でクセのある湯に入った後だったから、余計にそう思ったのかもしれない。

帰ってから写真を見て、掛け流しだと知った

浴室の入口に泉質の表示があったのだけれど、浴室の中は撮れないのでそこは諦めた。かわりに館内で撮っておいた貼り紙を、帰ってから見返した。

しみずの湯の掲示。掛け流しです、加温していますと書かれた温泉法改正に伴う追加掲示
「掛け流しです」と書いてあった

掛け流しです

加温しています 源泉の温度が低いため、加温しています。

設定温度 生湯・露天風呂 41〜43℃/薬草風呂 38〜40℃

入っているときは柔らかいお湯だとしか思っていなかったのだけれど、掲示には掛け流しだとはっきり書いてあった。しかも加水・循環・消毒については何も書かれていない。書いてあるのは掛け流しと加温の2つだけだ。

私は消毒をしていない温泉が好きなので、こういう掲示はいつも探している。源泉かけ流しかどうかは聞いて回らなくても、たいてい壁のどこかに書いてある。

設定温度のほうも気になった。41〜43℃と書いてある。私が38℃くらいに感じた露天が、である。夜で外気が冷たかったからだと思う。内風呂まで低く感じたのがなぜなのかは分からない。ただ、ぬるかったから2時間いられた。ぬるい湯のほうが長く入っていられるという話は前にも書いた。

薬草風呂には入らなかった

浴槽は生湯と薬草風呂の2つで、それに露天という構成になっている。生湯というのは薬草を入れていないほうの湯船のことだ。

薬草風呂には入らなかった。子供が沢山入っていたので遠慮した。

これもあとで掲示を読んで納得した。薬草風呂だけ設定温度が38〜40℃にしてあって、他より3℃ほど低い。子供が入りやすい温度だ。プールの後に来た子供たちがいちばんぬるい湯船に集まるのは、考えてみれば自然なことだった。

公式サイトによると、貸切の家族風呂のほうはその都度好みの薬草に入れ替えているらしい。次に来るならこちらを試してみたい。

pH9.7のアルカリ性単純温泉

浴室の泉質表は撮れなかったけれど、館内にもう一枚あった。

しみずの湯の足湯温泉分析表。木の板に彫られたアルカリ性単純温泉の成分表
足湯の分析表。木の板に彫ってある

足湯の分析表だ。木の板に彫ってあって、これがいちばん読みやすい。

  • 泉質=アルカリ性単純温泉(低張性アルカリ性温泉)
  • pH 9.14/泉温39.2℃/湧出量毎分300リットル

温泉分析書のほうも撮ってあって、そちらではpH9.7(現地で測ったもの)、泉温35.7℃になっていた。測った時期が違うのだと思う。

飛騨川温泉の温泉分析書。泉質はアルカリ性単純温泉でpH9.7
温泉分析書。泉質別適応症は自律神経不安定症・不眠症・うつ状態

成分総計は0.200g/kg。ガスを除いた溶存物質は0.165g/kgしかない。単純温泉の基準は1000mg、つまり1gを下回ることなので、基準をかなり下回る薄い湯ということになる。

「柔らかくてクセがない」と感じたのは、これだ。成分が少なくて、そのうえpHが高い。アルカリ性の湯は肌がヌルッとすることが多いのだけれど、ここはそのヌルつきもそれほど強くなかった。

なぜアルカリ性なのにヌルつかなかったのかは、翌日に泊まった富山のビジネスホテルの温泉で分かった。あちらは中性なのに、肌が少しぬるっとする。ぬるぬるを作るのはpHではなく、重曹の成分(炭酸水素イオン)の量だった。しみずの湯は51ミリグラム、あちらは4,092ミリグラムある。

知覚的試験の欄には「無色透明、微かな甘味、微かに硫黄臭」と書いてある。言われてみればそうかもしれない、という程度の香りだった。

明治温泉と同じ泉質なのが、いちばん不思議だった

分析書の別表を読んでいて手が止まった。

泉質別適応症=自律神経不安定症、不眠症、うつ状態。

これは明治温泉の掲示とまったく同じ言葉だ。どちらも単純温泉なので、同じ効能書きになる。

けれど、この二つはまるで違う。明治温泉は入っていても濃さを感じる。肌がピリッとして、指先がドクドクしてくるお湯だった。しみずの湯は柔らかくて、個性をあまり感じない。

数字にするとこうなる。

くらべたもの明治温泉しみずの湯
溶存物質795.9mg/kg165mg/kg
pH3.6(弱酸性)9.7(アルカリ性)
遊離二酸化炭素649mg35.2mg

成分の量が5倍近く違って、しかも片方は弱酸性で、もう片方はアルカリ性。中身も肌ざわりも正反対なのに、泉質はどちらも単純温泉で、効能書きまで同じになる。

単純温泉の条件は溶存物質が1000mgに満たないことと、泉温が25℃以上あること。それだけだ。何が溶けているかも、酸性かアルカリ性かも問われない。だからこの二つが同じ名前になる。

それだけ単純温泉の幅が広いということなんだと思う。単純温泉と書いてあっても中身は一軒ずつ違う。同じ旅の中で両方に入って、やっとそれが腑に落ちた。

ちなみに泉質別禁忌症は「該当なし」になっている。

浴室は週ごとに入れ替わる

ここは浴室が2つある。山側の「深谷の森」と道路側の「四美谷の森」で、週ごとに男女が入れ替わる。

公式サイトによると、深谷の森の露天はせせらぎと山の景色が見えて、四美谷の森の露天は開けた眺めになっているらしい。

私が入ったのは開けた場所だった。ただし夜なので、景色というほどのものは見えていない。行く週によって見えるものが変わるということになる。昼に行くなら、ここは確かめてから行くといいと思う。

足湯は無料。でも誰が使うんだろう

外に足湯がある。玉石が敷いてあって、まわりが木の縁台になっている。無料だ。

しみずの湯の無料の足湯。玉石を敷いた底とまわりの木の縁台
無料の足湯。分析表はこの足湯のもの

ただ、温泉に入った人はまず足湯を使わないと思う。お風呂から上がったあとに、また足だけ浸ける気にはならない。

じゃあ誰が使うんだろうと考えてみた。思いついたのは、連れがお風呂に入っている間に待っている人。それから通りかかったけれど、服を脱いでお風呂に入るほどの時間はない人。

そしてもうひとつ。全身浴ができない人だ。心臓や血圧の事情で、湯船に長く入っていられない人がいる。そういう人には足湯がちょうどいい。おまけの設備ではなくて、これがその人の温泉になる。

娘と日帰り温泉に行ったときも、私は3時間、娘は1時間で、入っていられる時間がまるで違った。同じ施設に来ていても、過ごし方は人によって変わる。

もうひとつ気づいたことがある。足湯には泉質の分析表が掲げてある。浴室の中は撮れないので、私はこの板でここのお湯のことを知った。服を脱がなくても、ここのお湯が何なのかは分かるようになっている。

ストーマがあっても温泉には入れる

これはこの温泉に限った話ではないのだけれど、書いておきたい。

知り合いが最近ストーマ(人工肛門・人工膀胱)になった。それで、温泉には入れるんだろうかとふと思った。

調べてみたら、ちゃんと入れる。ストーマ装具をつけたまま入れば、排泄物が漏れることもなく衛生上の問題はない。国や自治体がそう案内を出していて、公衆浴場に理解を求める文書を各県が公開している。乳がんの手術や皮膚移植の傷をカバーする専用の入浴着についても、公衆浴場や旅館の浴場で着たまま入っていいことになっていて、こちらは平成23年に国から通知が出ている。

日本オストミー協会は、洗い場ではストーマが左にある人は左端に、右にある人は右端に座ると人目につきにくい、という工夫も紹介している。

ただ、入っていいと決まっていることと、実際に入りやすいかどうかは別だと思う。人目が気になって大浴場をためらう人は多いはずだ。

そう考えると、ここに貸切の家族風呂があるのはありがたい。5名まで2,800円で45分ある。誰にも会わずに温泉に入れる。

これまで家族風呂を「家族連れや小さい子のためのもの」だと思って素通りしてきたけれど、そうじゃない人のためのものでもあると今回初めて思った。

※術後どのくらいから入っていいかは体の状態によるので、そこは主治医に聞いてほしい。

アメニティは揃っている

ロッカーは小銭のいらないタイプだった。リンスインシャンプー・ボディソープ・ドライヤーは備え付けがある。タオルは持っていくか、220円で買える。

この旅の最後に寄った金城温泉はアメニティが一切なくて全部持ち込みだったので、同じ日帰り温泉でも用意するものがまるで違う。行く前に見ておくと荷物が減る。

なお掲示によると入れ墨・タトゥーが入っている方は利用できない。飲食物の持ち込みも断られている。

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施設データ

  • 場所:岐阜県下呂市萩原町
  • 源泉名:飛騨川温泉/湧出地=岐阜県下呂市萩原町四美字小洞1452番地の1
  • 泉質:アルカリ性単純温泉(低張性・アルカリ性・温泉)
  • pH:9.7(現地)/9.41(試験室)/9.14(足湯の分析表)
  • 泉温:35.7℃(分析書・気温10℃のとき)/39.2℃(足湯の分析表)
  • 湧出量:毎分300リットル(掘削による動力揚湯)
  • 溶存物質:0.165g/kg/成分総計 0.200g/kg
  • 知覚的試験:無色透明、微かな甘味、微かに硫黄臭
  • 加水・加温・循環ろ過・消毒:掲示に「掛け流しです」「加温しています(源泉の温度が低いため)」とある。加水・循環・消毒については掲示に記載なし
  • 設定温度:生湯・露天風呂 41〜43℃/薬草風呂 38〜40℃(掲示)
  • 泉質別適応症(浴用):自律神経不安定症、不眠症、うつ状態
  • 泉質別禁忌症:該当なし
  • 一般的適応症:筋肉や関節の慢性的な痛みまたはこわばり、冷え性、末梢循環障害、胃腸機能の低下、軽症高血圧、耐糖能異常、軽い高コレステロール血症、軽い喘息または肺気腫、痔の痛み、自律神経不安定症、ストレスによる諸症状、病後回復期、疲労回復、健康増進
  • 浴室:2つ。山側「深谷の森」と道路側「四美谷の森」で、週ごとに男女入れ替え
  • 湯船:生湯・薬草風呂・露天風呂・水風呂、それにサウナ
  • プール:温泉プールと子供プールあり。水着とキャップが必要。小学2年生以下は保護者同伴、オムツのとれていない子は利用不可
  • 家族風呂(萩の湯):5名まで2,800円・45分。薬湯はその都度好みの薬草に入れ替え
  • 営業時間:10:30〜21:30(最終受付21:00)
  • 定休日:毎週火曜日(火曜が祝日の時は営業)
  • 料金:お風呂のみ大人800円/小学生400円。お風呂+プール大人900円/小学生450円。小学生未満は保護者同伴で無料
  • 回数券:お風呂のみ大人6,000円/10枚。お風呂+プール大人8,000円/12枚
  • アメニティ:リンスインシャンプー・ボディソープ・ドライヤーあり。タオルは220円で販売
  • ロッカー:小銭のいらないタイプ
  • 足湯:無料
  • その他:エステとカイロの施術、食事処「しみず庵」、卓球(30分300円)
  • 注意:入れ墨・タトゥーが入っている方は利用不可。飲食物の持ち込み不可

※料金と営業時間は変わることがあるので、おでかけ前に公式サイトでご確認ください。浴室の中の掲示は撮影できないため、泉質は足湯の分析表と館内の温泉分析書から書いています。

この旅で書いた6本

2026年9月の3泊4日。長野から岐阜・富山・石川をまわって、温泉に5つ入った。

▷ この旅のまとめ|5つの湯をくらべて分かったこと

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