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金沢・金城温泉 元湯|500円。お湯は全部が温泉で、水風呂は地下水のかけ流し

金城温泉元湯の浴室。麦茶のような濃い茶色のお湯と、壁に描かれた春の金沢城のモザイクタイル 温泉のある場所

旅の帰る日に、金沢の金城温泉元湯へ寄った。

金城温泉元湯の外観。瓦屋根とのれんのある和風の入口
金沢の町なかにある

もともとは福井の佐野温泉に行くつもりだった。それを前の晩に変えている。

理由は前の日にある。平湯の森へお昼すぎに着く予定で向かったら、駐車場まで並んでいて入れなかった。連休だから当然といえば当然なのだけれど、そこで諦めて別の温泉に回ることになった。

その経験があったので、朝早くから開いているところにしておくほうが安全だという話になり、行き先を変えた。

結果として、この旅でいちばん驚いた一軒になった。

朝6時から開いている

ここは朝6時から夜11時まで開いている。定休日は火曜だけだ。

金城温泉元湯の営業時間の看板。銭湯はあさ6時からよる11時、定休日は火曜

私が入ったのは7時から10時までの3時間。朝からこれだけ長く入れる温泉は、そうそうない。

そして入浴料が500円だった。小学生は150円、2歳からの幼児は70円。

麦茶みたいな濃い茶色なのに、匂いがしない

湯船を見て、まず色に驚いた。

麦茶のような濃い茶色をしている。もし蒲田の黒湯を知らなかったら、これを黒いお湯だと思っていたかもしれない。それくらい濃い。

ところが匂いがほとんどしない。

蒲田の黒湯はかなり独特の香りがあって、あれがあの湯の印象をつくっている。ここは色が近いのに、香りだけが全くなかった。色と香りは別々のものなのだと並べてみて分かった。

お湯は全部が温泉。水風呂は地下水のかけ流し

ここでいちばん贅沢だと思ったのがこれだ。

湯船は源泉の大浴槽、ジェット風呂、気泡風呂、腰掛け風呂、水風呂、それに屋上の露天風呂。サウナもある。このうちお湯はぜんぶ温泉で、水風呂は天然地下水のかけ流しだった。

日帰りの温泉施設では、温泉の湯船がひとつかふたつで、あとは白湯ということが多い。水風呂も、たいていは水道水を冷やしたものだ。

ここは両方が本物だった。お湯は全部が温泉で、水風呂には地下水がそのまま流れ続けている。汲み上げたままの水がずっと入れ替わっているというのは、温泉をかけ流しているのと同じくらい贅沢なことだと思う。

しかも「この水は飲めます」と書いてあった。水道の蛇口が逆さまを向いていて、そこから水が流れっぱなしになっている。

飲んでいる方がいたので、私も手に受けて飲んでみた。すごく美味しい水だった。

本当に、ここの水風呂は気持ちよく、それで500円だった。

中央の大浴槽は38度で、かけ流しだった

あとから公式サイトを読んで、数字が分かった。

中央の浴槽が源泉100%のかけ流しで、38度のぬる湯だという。湧出量は毎分470リットルもある。

38度なので、入ってすぐは少しぬるく感じる。でもそのぶん長く入っていられる。明治温泉でもひめしゃがの湯でも同じだったけれど、ぬるいお湯は時間を気にせず入れる。

ジェット風呂が、深さ90センチの立ち湯だった

この日いちばん体に残ったのが、ジェット風呂だ。ここは立ったまま入る深さになっている。

深さが90センチある。水風呂やメインの露天が65センチくらいで、体育座りをすると顎の下あたりになる。それと比べると、ずいぶん深い。

そして加温してあって、少し熱めだった。たぶん42度くらいだと思う。かけ流しの大浴槽が38度なので、差をつけるために温度を上げているのだろう。

熱さと、深さからくる水圧が、同時に来る。お風呂の水圧のことを前に調べたけれど、立ったまま深く浸かると水圧はかなり変わる。それを体で確かめる形になった。これがすごくよかった。

室内には腰掛け風呂もある。こちらは座って浴びるお風呂で違う楽しみ方の出来るお湯が並んでいることになる。

壁のタイルが、春の金沢城だった

洗い場の壁に大きなモザイクタイルの絵があった。

女湯は春の金沢城で石川門が描かれている。桜が華やかだった。綺麗だと思ってしばらく見ていた。

あとから間取り図を読んで知ったのだけれど、男湯のほうは秋の兼六園になっているらしい。男女で季節を分けてありそこまでしてあるのかと思った。

その日の薬湯は、本物の漢方だった

浴槽のひとつが漢方湯になっていた。

正直に書くと、私は普段、薬湯にはあまり入らない。たいていの薬湯は香りがしないか、人工的な香りがするからだ。

ここは違った。本物の漢方の素材を使っていて、漢方薬のような香りがしっかりしていた。それが嬉しくて、この日は積極的に入った。

公式サイトを見ると、この薬湯は日替わりで内容が変わるらしい。しょうぶ湯や丑湯、ラベンダーの風呂などが挙がっていた。行く日によって違うものに当たることになる。

屋上の露天は空しか見えない

露天風呂は屋上にある。

屋上と聞いて景色を期待したのだけれど、周りは囲ってあって見えるのは空だけだった。

そのかわりテレビが置いてある。だからみんなの目線がテレビに向いている。景色を見るのではなく、テレビを見ながらお湯に浸かる露天だった。

これはこれで銭湯らしいと思った。

ここも浴槽ごとに扱いが違った

公式サイトを読んで分かったのだけれど、この温泉は源泉を2つ持っている。

  • 1号源泉(ナトリウム-炭酸水素塩・塩化物泉)… 気泡風呂・ジェット風呂・露天風呂に使っている。加温あり、循環ろ過あり、消毒あり
  • 2号源泉(ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉)… 源泉かけ流しの大浴槽と腰掛風呂に使っている。加温なし、かけ流し、消毒なし

つまり同じ建物の中で、扱いがはっきり分かれている。

この旅で入った温泉は、3軒とも同じだった。明治温泉は冷泉とぬる湯とあつ湯で全部違ったし、ひめしゃがの湯も源泉風呂と加温した炭酸泉が分かれていた。

源泉かけ流しの見分け方を調べたときに、「ここはかけ流しですか」ではなく「どの浴槽の話ですか」だと書いた。3軒続けてその通りだった。

500円だけど、持ち物は自分で用意する

安い理由はたぶんここにある。

備え付けのアメニティがない。シャンプーもボディソープも、全部持ち込みだ。下駄箱はお金がいらないけれどロッカーは100円を入れるタイプ。ドライヤーも有料で10円玉がいる。

金城温泉元湯の券売機。大人500円。シャンプーセットや貸タオルもここで買える
券売機。入浴は大人500円。シャンプーもタオルもここで買える

入口には「初めての方へ きんじょうおんせん入浴の3つの心得」という手書きの貼り紙があった。

①お風呂セットを持っていくべし ②100円玉を持参すべし(ロッカー用) ③10円玉を用意すべし(ドライヤー用)。これだけ分かっていれば困らない。

それに忘れても券売機でそろう。シャンプーとコンディショナーとボディソープが入ったシャンプーセットが150円、貸タオルが150円、貸バスタオルが200円。せっけんやカミソリや洗顔フォームまで並んでいる。

手ぶらで行っても、入浴500円とシャンプーセット150円で650円だ。それでも安い。

オリジナルのタオルも売っていて、白が170円、カラーが320円。私はこれを買って帰った。

金城温泉元湯のオリジナルタオル。ぽっと湯気を出すキャラクターと「きんじょうおんせん」の文字
買って帰ったタオル

支払いは現金のほかにキャッシュレス決済もできる(フロントで受付)。

常連のおばあさんたちが丁寧に体を洗っていた

来ている人は、常連らしいおばあさんが多かった。

見ていて気持ちよかったのが、みなさん体をしっかり洗ってから湯船に入られることだ。ていねいで、慣れていて、当たり前のようにそうされている。

鈴鹿さつき温泉でも同じことを感じた。自分が毎日通う場所になれば、きれいに入ろうという気持ちは自然と大きくなるのだと思う。

手描きの間取り図が、すごくよかった

入口に手描きの間取り図が貼ってあった。

金城温泉元湯の手描きの間取り図。浴槽ひとつずつの説明が書かれている
らくがきひつじさんが描かれた間取り図

どの湯船がどこにあって、どんなお湯なのかが、絵と手書きの文字で説明してある。「らくがきひつじ」さんという方が描かれたものだ。

大浴槽には「源泉掛け流し! ぬるめで永遠に浸かっていられる」、水風呂には「天然井戸水掛け流し!」と書いてある。入る前にこれを読んでおけば、どこがどういうお湯かが分かる。

案内図というより、この建物の解剖図のようになっていて、見ているだけで面白かった。

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施設データ

  • 場所:石川県金沢市
  • 源泉:2つある
  • 1号源泉の泉質:ナトリウム-炭酸水素塩・塩化物泉(低張性・弱アルカリ性)
  • 2号源泉の泉質:ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉(低張性・弱アルカリ性)
  • 湧出量:毎分470リットル(公式サイト)
  • 源泉かけ流しの大浴槽:38度(公式サイト)
  • 加水・加温・循環ろ過・消毒:浴槽で分かれている。気泡風呂・ジェット風呂・露天風呂(1号源泉)=加温あり・循環ろ過あり・消毒あり/源泉掛け流し大浴槽・腰掛風呂(2号源泉)=加温なし・かけ流し・消毒なし(公式サイト)
  • 湯船:源泉の大浴槽・ジェット風呂・気泡風呂・腰掛け風呂・水風呂・屋上の露天風呂。サウナもある
  • 水風呂:天然地下水(井戸水)のかけ流し。「この水は飲めます」と書いてあり、蛇口から流れっぱなしになっている
  • ジェット風呂:深さ90センチの立ち湯。加温してあって少し熱め(体感で42度くらい)
  • 腰掛け風呂:室内にある、座って入る浅いお風呂
  • 水風呂とメインの露天の深さ:65センチくらい(体育座りで顎の下)
  • 露天風呂:屋上にある。周りが囲ってあるので見えるのは空だけ。テレビあり
  • 薬湯:日替わり。私が行った日は漢方湯で、本物の漢方の香りがした
  • モザイクタイル画:女湯は春の金沢城(石川門)、男湯は秋の兼六園
  • サウナ:女湯は15分ごとのオートロウリュ。男湯は常に蒸気が出ている(間取り図による)
  • 適応症(浴用):きりきず、末梢循環障害、冷え性、うつ状態、皮膚乾燥症
  • 営業時間:朝6時〜夜11時/家族風呂は昼〜24時(受付は23時まで)
  • 定休日:火曜日
  • 料金:大人500円/小学生150円/幼児(2歳から)70円。キャッシュレス決済あり
  • アメニティ:備え付けなし。ただし券売機で買える(シャンプーセット150円/貸タオル150円/貸バスタオル200円/せっけん50円〜/カミソリ100円/洗顔フォーム210円/スキンケアセット230円など)
  • 下駄箱:お金不要。ロッカーは100円を入れるタイプ
  • ドライヤー:有料(10円玉が必要)
  • オリジナルタオル:券売機で買える。白170円/カラー320円。私はこれを買った
  • 入口の貼り紙:「初めての方へ きんじょうおんせん入浴の3つの心得」=①お風呂セットを持っていくべし ②100円玉を持参すべし ③10円玉を用意すべし
  • 家族風呂:2階に14室。サウナつきの個室や露天つきの個室もある。予約できるのが9室、予約不要が5室。ロウリュのサービスもある

※料金と営業時間は変わることがあるので、おでかけ前に公式サイトでご確認ください。泉質と浴槽ごとの扱いは公式サイトに書かれているものです。浴室内の掲示は撮影できなかったので、現地の掲示と突き合わせたわけではありません。

この旅で書いた6本

2026年9月の3泊4日。長野から岐阜・富山・石川をまわって、温泉に5つ入った。

▷ この旅のまとめ|5つの湯をくらべて分かったこと

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