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30代から続けている温冷浴が、更年期の体を整えてくれていた|温泉とからだの記録

「温冷浴」の文字と、湯船と水風呂を行き来する女性たちを描いたイラスト からだと暮らし

熱いお湯でじっくり温まった体で、水風呂に足を踏み入れる。

ぶわーっと、全身に何かが広がる感じ。

「あー!しあわせ」

思わず声が出る。

これを知ったのは30代のころだった。

30代のとき甲田療法の本で知った

甲田療法の本を読んだのがきっかけだった。

甲田光雄「奇跡が起こる半日断食」の表紙。帯に高血圧・糖尿病・肝炎・アトピー・リウマチと並んでいる
今も手元にある一冊。帯に並んでいるのは、病気の名前だ。

読んだのはこの2冊です。温冷浴だけでなく、食事や断食など、体の整え方全体が書かれています。50代になって体の変化を感じている方には、きっかけになると思います。

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甲田光雄先生という医師が実践・普及させた健康法で、断食や少食、毛管運動などとあわせて、温冷浴がその中心のひとつとして紹介されていた。

甲田療法は病気の人のために生まれたもの

あとで知ったのだが、この療法には土台がある。西勝造という人が作った「西式健康法」だ。

西式には六大法則というものがある。平床(かたい床に寝る)、硬枕、金魚運動、毛管運動、合掌合蹠、背腹運動温冷浴も、こちら側にある。

甲田光雄先生が足したのが、少食と断食と生菜食のほうだ。玄米と豆腐と青汁。それが「西式甲田療法」になった。

そして甲田療法のほうは、病気の人のために発展したものだった。

作った甲田先生自身が、若いころに慢性の胃腸病と肝炎を患っている。大学病院で「今の医学では治せない」と言われて、断食療法に活路を求めた人だった。

やり方も厳しい。一日二食で1600キロカロリー以下。玄米と豆腐と青汁を、何か月も続ける。これは病気を治すための処方だ。

だから根本の考えだけを借りた

まだ病気ではない私が丸ごと真似るものではないと思っている。

そう思うまでには試してみたことがある。

食事は一度作って食べてみた

本には玄米クリームのことや、質素な食事のことが書かれていた。

一度作って食べてみて不治の病と言われたらこれは食べられる。でも病気じゃない今の私には食べられないし食べる必要もない。

もうひとつ、こわかったことがある。30代でこの食事に変えてしまったら、もう戻せないような気がした。体が受け付けなくなってしまうのではないかと思ったのだ。

薄い布団でも寝てみた

本には薄い布団で寝ることも書かれていた。六大法則の「平床」だ。これも当時やってみた。敷布団も掛け布団も薄いものにした。

冬だったので寒いし、背中は固いしで眠れなかった。しばらく続けても深い眠りには入れなかった。

でも今になって思うのは、あの頃はまだ自分で熱を作ることができなかった。だから薄い布団では眠れなかったのかもしれないということ。

今ならもしかして、とも思う。ただ、更年期の今それを試すのは勇気がいる。大きな病気になって甲田療法をやるなら、そのときは布団も薄くするだろうと思う。

ビール瓶にタオルを巻いて寝てみた

硬枕もやった。これも六大法則のひとつだ。

当時、首から肩にかけてのこりと頭痛がひどくて、マッサージに通っていた。それでもすぐにしんどくなる。硬枕のことを思い出して調べたらビール瓶にタオルを巻いて代用する方法が出てきた。買うと高かったので、それでやってみた。

ビール瓶に温泉のタオルを巻いて作った硬枕。タオルにはリバーサイドHOTEL天然温泉金町の湯と書かれている
ビール瓶にタオルを巻いただけのもの。巻いてあるのは、温泉でもらったタオル。

初めて寝たときはゴキゴキとすごい音がした。首の骨が折れたのかと思うくらいの音だった。

恐る恐る起き上がってみると首と頭の重さがなくなっていた。

ただこれは人にすすめられることではない。首を鳴らすことで血管を傷めることがあると、あとから知ったので同じことをしてくださいとはとても言えない。

今もたまに硬枕はする。でももうあの時のような音は出ない。あれは、あのころの体だから鳴った音だったのだと思う。

今は指導してくれる人がいない

甲田光雄先生は2008年に亡くなっている。84歳だった。

西式甲田療法を取り入れているクリニックは今もあるけれど、あの先生に診てもらうことはもうできない。本を読んで自分でやるとしたら、完全な自己流になってしまう。

だからこそ、根本の考えだけを借りるという形が、私にはちょうどよかった。

借りたのは温冷浴だけ

こうして並べてみると、はっきりする。

私が試したのは、平床も硬枕も温冷浴も、全部「西式」のほうだった。

そして置いてきたのは、甲田先生が足した食事のほうだ。玄米クリームも、少食も、断食も、やっていない。

残ったのは温冷浴だけ。それを30年やってきた。

続いたのは、たぶんそのおかげだ。全部やろうとしたら半年で終わっていたと思う。

ただ、置いてきたものを捨てたわけではない。大きな病気になったら甲田先生の少食もやってみるかもしれない。あれは、そういうときのための療法だと思っている。

水とお湯に1分ずつ7セット

やり方はシンプルで、冷たい水と温かいお湯に1分ずつ交互に入る。それを7セット繰り返す。

「え、冷たい水に入るの?」

正直そう思った。でも、やってみたら気持ちよかった。

髪がきれいになって体がシャキッとした

春からお正月ごろまで家のシャワーでせっせと続けた。髪がきれいになってきたり、体がシャキッとするとなんとなく続けたくなる。

この二つは今も感じる。ただ、条件があることに気づいた。

髪がきれいになるのは冬に冷たい水を浴び続けたときだけだ。夏はそこまで思わない。週に2回ほど温泉に行くくらいでは感じない。冬に家で真面目に冷水シャワーを続けたときにだけ、はっきり分かる。

つまり毎日やらないと出てこない変化なのだと思う。

シャキッとするほうは、水を浴びればいつでも感じる。特に早朝の冷水シャワーがそうだ。冷水を浴びることが禊や穢れを落とすと言われるのも、あれをやると納得する。

▷ 朝の水シャワーの話 → 冬の朝、水シャワーを浴び続けたら寒さに強くなった話|自律神経とヒートショック

30代から今まで細く長く続いた

気がつけば「思い出したらやる」くらいの習慣になっていた。温泉に行くときは必ずやるし、家でやらなくなってもやめたわけじゃない。そうやって30代から今まで、細く長く続いてきた。

更年期のころは湯舟の中でお腹が震えていた

更年期がしんどかった頃のことを思い出す。

お湯の中でも体が冷えた。追い炊きしても追いつかなくて、湯舟の中でお腹が震えていたこともあった。

▷ あのしんどさのことは、こちらに書いた → お湯の中でも寒かった私が、一晩で体が楽になった話

玉造温泉で初めて芯から温まった

そんな私が変わったのは、玉造温泉がきっかけだった。

泉質のあるお湯に入ると、体の芯からじわっと温まる。シャワーでも銭湯でも感じたことのない温まり方だった。「あ、これか」と思った。それから温泉に通うようになっていった。

家のお風呂でもお腹が冷えなくなった

温泉では必ず温冷浴をするようになった。そのうち、家のお風呂でもお腹が冷えることがなくなってきた。忙しい日にシャワーだけで済ませても、以前のように体の冷えを感じなくなってきた。

温冷浴で血のめぐりが変わって、内臓への流れも整ってきたのかな、と思っている。

あの頃湯舟でお腹を震わせていた私が、今は水風呂に気持ちよく入れている。なんだか不思議な気がする。

心臓への負担は思ったより大丈夫だった

心臓への負担は心配だったけれど、たまにとはいえ20年続けてきた体は、思いのほかすんなり対応してくれた。心臓がぎゅっとすることもなく、寒すぎて縮こまることもなく。

サウナには入らない。塩サウナだけはたまに

ちなみに、私はサウナには入らない。

温泉の水圧や泉質が体に効くと感じているので、そちらに集中したい。

塩サウナはたまに入ることがある。頭に塩を乗せてじっとしていると、後で頭がすっきりしてくる感覚があって、それがちょっと気持ちいい。体に塗るよりも頭に乗せるほうが変化を感じる。ひとつだけ注意するとしたら、顎を引かないこと。引くと塩が目に入るので(笑)。

毎回フルにはやらない

毎回フルにはやらない。

体調がよくない日は足だけ水に浸ける。何セットも入れそうにない時は少なめにする。水風呂をやめて、40℃以下のぬるめのお湯にゆっくり浸かることもある。

体に聞きながら、無理せず。それが長く続けられた理由のひとつだと思っている。

今はもう少し踏み込んだ入り方をしている

ここ最近、入り方が変わった。氷風呂というものを知ったからだ。

脳科学の方面から水風呂や冷水シャワーの話を聞いたり、ハリウッドスターの間でも流行っているという記事を目にしたりするうちに、体を限界まで冷やすということを意識するようになった。

我慢できるギリギリまで水風呂に入る

温まった体を水風呂に入れて、我慢できるギリギリまで入る。ただ、じっと同じ姿勢でいるわけではない。つらくなるたびに、体を少しずつ水から出していく。

  • 首まで浸かる
  • 首までが無理になったら、胸まで出す
  • それでもつらくなったら、手を腕ごと出す
  • それでもつらくなったら、下半身だけにする
  • 下半身だけになったら、熱を作るために上半身の運動をする

こんなことをして5分くらい入る。

もちろんこれは体調のいい日だけだ。ちょっと体調が悪いなという日は、短く入って反射を起こすだけにする。

※これは30年かけて慣らしてきた体でやっていることです。5分の水風呂は誰にでもすすめられるものではありません。心臓や血圧に不安のある方は絶対にやらないでください。始めるなら、足に水をかけるところからにしてください。

▷ 始め方はこちら → 冷え性なのに水風呂?|冷え性の人が、どこから始めればいいか

上がり方も変わった

もう一つ変わったのがお風呂の上がり方だ。

昔は最後に水風呂へ一瞬浸けて、熱を少しだけ落としていた。汗をかかない程度にして上がる、という感じだった。

今は芯まで冷やして、そのあと自分の力で体温を作らせるようにしている。

最初のうちは体温が戻らなかった

これは、始めたころは大変だった。夏の昼間に入った日に、3時間も唇の色が悪かったり、手に血の気がなかったりした。夫に指摘されたこともある。

▷ そのころのことは、こちらに詳しく書いた → 私の水風呂の入り方|温泉で体を芯まで冷やす温冷浴のやり方

震えることが少なくなってきた

ところがこの頃は、夫に指摘されることも少なくなるくらい、体に熱が戻るのが速くなってきている。そして寒くて後から震えることが少ない。

調べたら、この「震えずに熱を作る」働きには「非震え熱産生」という名前がついていた。その主役が褐色脂肪細胞で、寒さの刺激を6週間くり返すと働きがよくなることが確かめられている(北海道大学の斉藤昌之名誉教授らの研究)。

つまり「震えなくなった」というのは、熱を作る力が育ったサインということになる。

▷ 褐色脂肪細胞のしくみはこちら → 冷え性なのに水風呂?|冷え性の人が、どこから始めればいいか

今は夏だから、冬になったらもう少しはっきり感じるのかもしれない。その変化を感じるのも、楽しみにしている。

甲田療法の1分ずつはもうやっていない

30代のころに読んだ「1分ずつ7セット」は、今はやっていない。

温冷浴という形ではあるけれど、お湯も水も「芯から温まるまで」「芯から冷えるまで」と、自分で変えている。

変えたのは氷風呂を知って、芯から冷やしたいと思ったからだ。

そして芯まで冷やすと、お湯にもそれなりの長さ浸からないと体温が戻らない。だから1分ずつでは足りなくなった。

▷ 今のやり方 → 私の水風呂の入り方|温泉で体を芯まで冷やす温冷浴のやり方

▷ 冷水は体に悪いのか → 冷水は体に悪い?その思い込み、南山紘輝さんの話で全部ひっくり返った。

急にはできなかった

今の私にそれができるのは、30代からずっと温冷浴を続けてきたからだと思っている。急にいきなりはできなかった。ゆっくり体を慣らしてきたことが、今につながっている。

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