前回の記事で、南山紘輝さん(@nlpe.17)の話を聞いて水風呂への向き合い方が変わった、と書いた。今回は、実際に私がどう入り方を変えたか、具体的に書いてみようと思う。
変わったのは「冷やし方」だった
もともと温冷浴は30代から続けてきた。甲田療法を学んでから、温かいお湯と冷たい水を交互に入るというやり方だ。
以前の入り方も全身で水に入ってはいた。ただ「気持ちのいいところまで」という感覚で、深くまで冷やすという意識はなかった。
南山さんの話を聞いてから、「しっかり冷やすことに意味がある」と思うようになった。褐色脂肪細胞を活性化させるには背中や脇の下まで浸かることが大切。それから「首まで、できるだけ長く入る」を意識するようになった。
まずはしっかり温まる
水風呂の前に、お湯でしっかり温まる。体の芯まで温まってからでないと、水風呂の効果が出にくいし、体への負担も大きくなる。のぼせない程度に、でもしっかりと。
水風呂①:首まで浸かる+呼吸
十分温まったら、水風呂へ。変えたのが「首まで浸かること」。最初はつらいが、慣れると全然違う感覚になる。
水に入ったら最初は早い呼吸をする。南山さんが話していた、冷水に入ったときの体のスイッチオンを促す呼吸だ。息を浅く速く繰り返す。早い呼吸に疲れてきたら、ゆっくり深い呼吸に切り替える。これで体が落ち着いてくる。
水風呂②:胸まで→手を出す
首まで続けるのがつらくなったら、胸までにする。水から出た部分は急激に熱を放つので、さっきまでと体感が変わり、またもう少し入っていられる。胸まで浸かってつらくなってきたら、手を出す。
手を出すだけで体感がガラッと変わる。これには理由があって、手には「AVA血管(動静脈吻合)」という特殊な血管が集中している。体温が上がると開いて熱を逃がし、寒くなると閉じて体温を保つ。その血流量は毛細血管の1万倍にもなる血管だ。水から手を出すことでこの血管の働きが切り替わり体感が変わる。肘まで出してみるとまたさらに変わる。
水風呂③:腰まで出してストレッチ
さらに腰まで外に出して、上半身の伸びや肩甲骨を動かす体操をする。お風呂の中なので壁を向いて羞恥心を保ちながら(笑)。
温めて冷やした後の体はよく伸びる。温めることで筋肉の柔軟性が上がり、水に入っても表面は冷えるが体の深部はまだ温かい状態が続いている。深部が温かいと関節の可動域が広く、ストレッチに適した状態だ。熱いお湯の中でストレッチするとのぼせてしんどくなるが、水風呂の後なら深部体温が下がりにくく快適にできる。
ひとつ注意。首のストレッチはよく伸びる感覚があってつい頑張りすぎてしまう。以前やりすぎて筋を違えたような感覚になったことがある。首だけは控えめに、がルール。
水風呂④:ひざ下だけ浸ける
腰まで出してもまだ入れそうなら、水風呂のふちに腰かけてひざ下だけ浸ける。ここまでくるとかなり冷えている。温泉の水風呂は17〜18℃くらいだが、段階を経て入ると、それでもしっかり冷える。
外気浴は必ず挟む
しっかり冷やした後は、外気浴で体を馴染ませる。ここを省かない。頭がくらくらすることがあるので、歩いて移動するより水風呂のふちに背を向けて腰かけ、5分ほど休憩する。
このくらくらは、お湯と水の温度差が大きいほど起きやすい。同じ17℃の水風呂でも、お湯が42℃のお風呂と50℃近いお風呂では、水から上がった時の体感が全く違う。
外気浴では副交感神経が優位になり、体が徐々に温度変化に馴染んでいく。この段階でリラックスが深まり「整う」感覚が生まれる。急激な体温変化が繰り返されると心臓への負担が増えるが、外気浴を挟むことでその負担を和らげることができると医学的にも言われている。
お湯・水・外気浴のサイクルを繰り返す
このお湯→水→外気浴を1セットとして繰り返す。目安はこのくらい。
- お湯:10〜15分(体の芯まで温まる)
- 水風呂:5分(首まで→段階的に)
- 外気浴:5〜10分(ゆっくり体を馴染ませる)
- 合計:20〜30分
水風呂に入る方の多くは、表面が冷えたら出るという感覚で、1分くらいで上がることが多い。サウナ後に入る方も含めて、それが自然な感覚だと思う。私も今まではそうだった。表面が冷えたら十分、深部までしっかり冷やすなんて思いもしなかった。
南山さんの話を聞いて初めて「深部まで冷やすことに意味がある」と知った。それから意識して長く入るようになり、今は5分ほどになった。「長いこと入ってて寒くないの?」と声をかけられることもある(笑)。
これを繰り返して、トータル3時間ほど入っているのがいつもの流れ。最後は水でキンキンに冷やして上がる。
上がった後:掌が白くなる
しっかり冷やして上がると、脱衣所でも寒い。掌が真っ白になる。夫に「おばけの手みたいな色」と言われる(笑)。でもそこから体が自力で体温を取り戻していく過程がとても大事だと思っている。
この過程で褐色脂肪細胞が活発に働いて体の内側から熱を産生する。代謝が上がりエネルギー産生が高まる。これを繰り返すようになってから、更年期のだるさが取れてきた感覚がある。
初めてしっかり冷やして上がったのは夜だった。脱衣所から車の中まで寒くて、家に帰って布団に入っても体温がなかなか戻らなかった。それが続けるうちにだんだん短い時間で体温が戻るようになってきた。体が慣れて、温度調節の力が育ってきたのだと思っている。
水でしめて上がる理由
最後に水でしめることにはもうひとつ理由がある。水に入らないと上がった後にダラダラと汗をかき続ける。体がまだ体温を下げようとしている状態で、これが続くと脱水につながりやすい。水でしめることで体温が落ち着き、汗が自然と止まる。
体調がしんどい時はさすがにしっかり冷やすのは無理。でも一瞬でも水に入って上がるようにしている。これをするだけで湯冷めしない。お湯の熱がこもらず、脱衣所でも体温が下がらず温かい感覚で上がれる。これはしんどい時でも続けられる理由のひとつだ。
途中でトイレが近くなる
しっかり入っていると途中でトイレ(小)が近くなる。これはデトックスが進んでいるサインだと思っている。
温冷交互浴をすると体に利尿作用が起きることが知られている。冷水刺激で血管が収縮し、心臓への血液の戻りが増えると、心臓が「心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)」というホルモンを分泌し、腎臓に「尿を出しなさい」というサインを送る。つまり体が自然と老廃物を外に出そうとしている状態だ。我慢せずに行くようにしているし、水分も飲みたい時に飲む。
「アイスバス」として世界でも注目されている
体を芯までしっかり冷やす入り方は、海外では「アイスバス」として注目されていて、「アイスマン」と呼ばれるウィム・ホフという人が広めた方法でもある。彼の本は日本語版も出ていて、冷水と呼吸法のことが詳しく書かれている。私の入り方とも、南山さんが話していた呼吸のことともつながっていて、読むと納得が深まると思う。
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朝の方がストイックにできる理由
体感として、朝に温泉に行った方がしっかり冷やす入り方がやりやすい。朝は体内時計(サーカディアンリズム)の働きで交感神経が活発で、コルチゾール(活動ホルモン)が高い時間帯。冷水も交感神経を高めるので、体がすでにオンになっているため相乗効果がある。夜は副交感神経が優位になるため、冷水への耐性が下がる人もいると南山さんも話していた。
私はしっかり冷やすと疲れてよく眠れるので夜でも入れているが、眠れなくなる人もいるので自分の体と相談してほしい。
体調によって難易度を変える
ここまで書いた入り方は体調のいい時限定。体調が悪い日は首まで入らない。足だけ、ひざ下だけの日もある。でも「最後に一瞬でも水に入る」だけは続けるようにしている。
次の記事では、家での朝シャワーの入り方について書こうと思う。
▷ 前の記事 冷水は体に悪い?その思い込み、南山紘輝さんの話で全部ひっくり返った。
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※これはきっぽ個人の体験をもとにした入り方です。体に不安のある方は無理せず少しずつ始めてください。

