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冷え性なのに水風呂?|冷え性の人が、どこから始めればいいか

湯気の立つ木の湯船と、ふちに置かれた水入りの白い洗面器のイラスト からだと暮らし

「冷え性なんです」と言うとたいてい「じゃあ温めないと」と返ってくる。

私もずっとそう思っていた。

でも今の私は冷えには冷やすほうがいいと思っている。

私はもともと冷え性ではなく、子どものころは冷たい水で手を洗えば温まる体だった。それでも更年期に入ってから冷えに悩まされるようになった。

だから今日書くのは冷えている人がどこから始めればいいかという話になる。

玉造温泉で生き返ったのは、冷え切っていたから

私が温泉に通うようになったきっかけは玉造温泉だった。

▷ そのときの話 → 玉造温泉|宿のことは覚えていないのに、体が楽になった感覚だけ覚えている

あのときの私は冷え切っていた。だから一泊で生き返ったように感じた。

でも今振り返るとあれは温かさが続いたのではなく、冷え切っていたのが少し元に戻ったという感じだったのだと思う。

その変化があまりにも大きかったから私は温泉に通うようになった。

通い始めた頃は湯の力で温まろうとしていた

ところが通い始めてしばらくは、あのときほどの変化を感じられなかった。

当時の私は水風呂の入り方も適当だった。だから汗を沢山かき、体の疲れが強かった。

その疲れのせいで体の芯の温かさまで届いてこなかったのだと思う。

それに汗をかきすぎると、乾いていく汗が体の表面から熱を奪っていく。濡れたまま乾かすと涼しくなるのと同じことだ。

▷ 汗が乾くと涼しくなる話 → 暑い日は手と首を水で冷やす|更年期の夏はこまめに熱を逃がして過ごす

芯が温まっていないとせっかく温めたのに、そこからまた冷えていく。あの頃の私はたぶんこれをやってしまっていた。

上がった直後はあたたかい。でもその温かさが続く感覚はなかった。入っているあいだ体が楽になることがメインだった。

今思えばあの頃の私は「湯の力で温まろう」としていた。

今は自分の力で温まろうとしている

今は違う。自分の力で温まろうとしているし体はそれに答えてくれている。

たとえば尼崎の湯の華廊。あそこは「冷えに効く」と教わって通うようになったお湯だ。

尼崎・つかしん天然温泉 湯の華廊|冷えに効くと教わって、夫婦で通うようになった茶色いお湯

行ったときにはもう温泉通いを始めていたので入ってすぐ変化を感じた。そして——

入り終わったあと数日間、体の芯が温かい。

だから数日間すごく元気でいられる。

入っているあいだだけ楽なのと数日続くのとではまったく別のものだった。

なぜ冷やすと温まるのか①──血管の反射

これには理由がある。まずひとつめ。

冷たい刺激を受けると血管はキュッと縮む。そのあと反動で開く。開いたところに血がめぐって温かくなる。

私はこれを子どもの頃から体で知っていた。冬の教室で手がかじかむとわざわざ冷たい水で手を洗いに行っていた。

▷ そのときの話はこちら → 更年期の冷えは変えられる|去年はカイロ、今年は芯が冷えない私の実感

この反射はその場で起きる。だからやればすぐ分かる。

なぜ続けると変わるのか②──褐色脂肪細胞

もうひとつ。

体には褐色脂肪細胞という、熱を作る細胞がある。あるのは首や鎖骨のまわり・肩甲骨のあいだ・脇の下、それに腎臓や太い血管のまわり。赤ちゃんのころは全身にあるけれど、大人になるとこのあたりにしか残らない。

寒さを感じるとその信号が脳に伝わり、交感神経が働いてこの細胞が脂肪を分解して熱に変える。

ここからが面白いところだ。

寒い刺激が続くと褐色脂肪細胞そのものが増える。そして白い脂肪細胞が褐色脂肪細胞に変わることも分かっている。

つまり「熱を作る力そのもの」が育つということになる。

▷ この仕組みを知ったきっかけ → 冷水は体に悪い?その思い込み、南山紘輝さんの話で全部ひっくり返った。

▷ 首・肩甲骨・脇をしっかり冷やす話 → 温泉に行けない日の温冷浴|家のお風呂と水シャワーで、自律神経を毎日整える

「湯の力」と「自分の力」の違い

この2つを並べると私の体に起きたことが説明できる。

温まり方何が起きるかいつ
湯の力外から温めてもらう入っているあいだ
血管の反射縮んだ血管が開くその場
褐色脂肪熱を作る力が育つ続けたぶんだけ

通い始めた頃の私はいちばん上だけをやっていた。だから温かさが続かなかった。

今は下の2つが働いている。だから数日続く。

冷え性の人が気をつけること

ここで、私がやってしまっていたことを書いておきたい。失敗というより知らないからやっていたことだ。

汗をかきすぎると疲れすぎる。

熱いお湯に長く入って汗をダラダラかいて「たくさん入った」と思っていた。でもあれは体力を消耗しているだけだった。

汗をかきすぎると、風呂上がりにその汗が乾くときに体の表面の熱を奪っていく。芯が温まっていない人はそれでまた冷えてしまう。

冷えている人ほどここを間違えやすいと思う。温めれば温めるほどいいわけではない。

そしていきなり水風呂に肩まで浸かるのも違う。冷え性の人がそれをやると、ただ体が冷えるだけになる。

短く繰り返すのと、長く浸かるのは別もの

もうひとつ大事なことがある。同じ水風呂でも、短いか長いかで体の反応がまったく違う。

入り方体に起きること
短く入って、すぐお湯に戻る(それを繰り返す)表面の反射がしっかり出る
長く浸かる体の芯まで冷える。そのあとお湯で温め直す

やっていることは同じに見えても起きていることは別だ。

短く繰り返すのは、表面の血管を何度も動かす入り方だと思っている。縮んで開く、縮んで開くを繰り返すので、反射がはっきり出る。体力もあまり使わない。

長く浸かるのは、芯まで冷やしてから温め直す入り方だ。芯が冷えると体は本気で熱を作ろうとする。振れ幅が大きいぶん、効き方も強い。そのかわり体力を使う。

▷ 芯まで冷やす入り方はこちら → 私の水風呂の入り方|温泉で体を芯まで冷やす温冷浴のやり方

冷えている人がやるなら上のほうだと思う。短く入ってすぐ戻る。それを繰り返す。

芯まで冷やすやり方は芯に温かさが残っている人がやることだと思っている。芯が冷たいままの人がやると、ただ冷えるだけで終わってしまう。

▷ 入り方の違いはこちら → 深部体温が上がらない日の温冷浴|一瞬の水風呂と、三つの入り方

最初の一歩は、洗面器で足に水

湯船のふちに置かれた白い洗面器と、壁のシャワー
湯船のふちに置かれた洗面器。始めるのに要るのはこれだけ。

では、どこから始めるか。

いきなり水風呂に浸かるのは難しい。だから私がすすめるのはこれだ。

  1. お湯に浸かって体を温める
  2. 洗面器で足に水をかける
  3. またお湯に入る
  4. 冷たさが消えたらまた足に水をかける
  5. これを5回くらい繰り返す

たったこれだけだ。

ひとつだけコツがある。パッパと手早くやること。

足に水をかけたらすぐにお湯へ戻る。モタモタしていると縮んだ血管がゆるんでしまって思うような反射が起きない。冷たい・熱いの落差を間を空けずに与えるのが大事だ。

2回もすれば、体の表面が熱くなる

やってみるとたぶん2回目くらいで気づく。

体の表面がフワッと熱くなる。これが反射だ。

この感覚が分かればもう大丈夫だと思う。体が「冷たさのあとに温まる」を覚え始めている。

末端の冷えがきつい人へ

末端の冷えがきつい人は、その日は冷たさだけしか残らないかもしれない。

子どもの頃に同じように手を洗った友達がいつまでも温かくならなかったのを覚えている。同じことをしても反射が出る人と出ない人がいる。

でも——この方法は体に負担がない。だから騙されたと思って1か月くらい続けてみてほしい。

1か月やってみて何も変わらなければやめればいい。それくらいの軽さで。

慣れてきたら、足を水につける

もし早いうちに反射が起きるようなら次の段階へ進める。

  1. 足を我慢できるところまで水につける
  2. お湯に戻る
  3. これを繰り返す

そしてできる人は少しずつ我慢できるところまで体を水につけていけばいい。

無理をしないこと。足で平気になってから体へ。その順番さえ守れば大丈夫だと思う。

▷ 体調がよくない日の入り方 → 深部体温が上がらない日の温冷浴|一瞬の水風呂と、三つの入り方

どのくらいで変わるのか

いちばん聞きたいところだと思う。

水風呂の入り方を考えて入るようになり、朝の冷水シャワーも始めた。

そこから数か月で体の芯が変わったと感じた。

ただ私は30代から温冷浴をやっていたので変化が速いのだと思う。

30代から続けている温冷浴が、更年期の体を整えてくれていた|温泉とからだの記録

夫も筋肉量が多いタイプなので、こちらも変化が速いのだと思う。体つきによっても違う。

毎日やれば、その日ずっと寒くない

もうひとつ。続けている人だけが知っていることを書いておく。

冬の朝に冷水シャワーを浴びると、そのときはめちゃくちゃ冷たい。でも——

寝るまで、寒さを感じない。

朝にまとめて冷たさを感じておくと、その日は本当に寒くないのだ。

でもさぼり出すと7日目くらいで寒さが戻ってくる。

だからこれは「治す」ものではなくて、「続けているあいだ、変わっている」ものなのだと思う。

ただし積み上げたものがゼロに戻るわけではない。また始めれば最初のときよりずっと早く戻ってくる。

そして朝の冷水シャワーは、眠りの質もよくしてくれる。自律神経が整うからだと言われている。

冬の朝、水シャワーを浴び続けたら寒さに強くなった話|自律神経とヒートショック

冷え性だから、冷やす

温めてもらうのは気持ちがいい。私も温泉が大好きだ。

でも温めてもらうだけでは、その場で終わってしまう。

自分で熱を作れる体になると、温かさが続く。

今日からできることはたったひとつ。お風呂で洗面器一杯の水を足にかけること。

それだけで十分だと思う。

▷ 温冷浴の全体像はこちら → 更年期の「整う」は温泉と水風呂で|サウナが苦手な50代がたどり着いた温冷浴のやり方

※冷えがひどい・長く続くときは、甲状腺や心臓、腎臓、血管の病気が隠れていることもあります。我慢せず医療機関に相談してください。ここに書いているのは私の体験です。持病のある方や妊娠中の方は、始める前にかかりつけ医に相談してください。

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