サウナで「整う」という言葉をよく聞くようになった。サウナ室で温めて、水風呂で冷やして、外気浴でぼーっとする。あの気持ちよさにはまる人が続出しているらしい。
実は私も整っている。ただし場所はサウナ室ではなく、温泉の湯船だ。50代の更年期の体にサウナの熱気は苦手だけれど、それ以上に私は温泉のお湯そのものを信じているので、温めるのはお湯にお願いしている。この記事では、サウナが苦手でもできる「温泉と水風呂の整い方」の全体をまとめておきたい。
そもそも「整う」って何だろう
サウナ用語の「整う」は、温めることと冷やすことを交互に繰り返した後にやってくる、頭がすっきりして体がゆるむ、あの独特の気持ちよさを指す。
正体は自律神経の切り替えだと言われている。温まると体は熱を逃がそうと働き、水風呂に入ると今度は熱を守ろうと働く。この切り替えを何度も繰り返すうちに、交感神経と副交感神経のスイッチがスムーズに動くようになる。そして休憩でふっと副交感神経に切り替わった時に、あの「整った」状態がやってくるという仕組みだ。
更年期にこそ、切り替えの練習がいい
更年期はエストロゲンが減って、自律神経が不安定になりやすい時期だ。ホットフラッシュも眠れない夜も、元をたどれば自律神経の乱れから来ているという。
私はこの夏、暑い場所で無理をして交感神経が上がりっぱなしになり、ホットフラッシュと不眠が一気に悪化した。過ごし方を変えただけで劇的に楽になって、更年期の体がいかに自律神経に振り回されているかを実感した。
▷ その時の話はこちら → 更年期は夏の暑さで悪化する|冷房を我慢したらホットフラッシュと眠れない夜がひどくなった話
だから切り替えの練習には意味があると思っている。温冷浴は、上がった交感神経を意識的に下ろす練習でもある。私は続けるうちに、鬱々とした気分を週末の3時間で流しきれるようになった。
▷ 温冷浴で鬱々を流しきった週末の話 → 鬱々を温泉で流しきった週末|3時間の温冷浴と、冷たさに慣れていった体
サウナに入らないのは、泉質を無駄にしたくないから
サウナが苦手というのもある。ただ正直に言うと、塩サウナのような低い温度のサウナなら入れる。それでも入らないのは、泉質を信じているからだ。
せっかく源泉かけ流しの温泉に来ているのに、サウナ室で過ごしたらその時間はお湯に浸かれない。私はそれがもったいなくて、温冷浴の「温める」係は薬効のあるお湯にお願いすることにしている。熱い空気で温まるか、泉質のあるお湯で温まるか。ここがサウナの温冷浴との一番の違いだと思う。
だから私のやっていることは、整うブームというより昔からある湯治だ。50代の体で湯治をやったら、結果として整っていた。そういう順番だ。
おまけのようだけれど、体への優しさも違う。お湯はサウナ室ほど熱くないのでのぼせにくいし、温める時間を自分のペースで調整できる。更年期の体にはこれがありがたい。
私の基本のやり方
やり方はシンプルで、「しっかり温まる→水風呂→少し休む」を数セット繰り返すだけだ。
大事なのは、最初にしっかり温まること。体の芯まで温まらないうちに水風呂に入ると、ただ寒いだけでつらい。逆に芯から温まっていれば、水風呂が気持ちよく感じられる。
私の場合は、お湯に10〜15分しっかり浸かって、水風呂に5分、少し休んで1セット20〜30分。これを繰り返して、気づけば3時間で6セットくらい入っている日もある。とはいえ最初からこんなに入る必要は全くない。1セットでも体はちゃんと切り替わるし、水風呂も一般には1〜2分で十分と言われている。私の5分は数年かけて慣らした結果なので、最初は足だけ、次は腰まで、と少しずつでいい。
▷ 慣らし方の細かい話はこちらに詳しく書いた → 私の水風呂の入り方|温泉で体を芯まで冷やす温冷浴のやり方
どんな温泉でできるか
水風呂のある温泉なら、どこでもできる。せっかくなら源泉かけ流しの温泉だと、温める側の泉質を存分に使える。
冷泉のある温泉なら、冷やす側にも泉質が付いてくる。ただし冷泉は、水風呂ほど低い温度ではない。だから水風呂に慣れていない方には十分水風呂の代わりになるけれど、水風呂が大好きな方には物足りなくて、冷やし方が甘くなる。
なので私は、冷泉があっても水風呂にはしっかり浸かる。温度差が大きいほど、ずっと抱えていた慢性的なストレスまで流れていくと南山さんのライブで教わって、実際に私の体もそう感じている。だから水風呂は絶対に入る。冷泉は「水風呂の代わり」というより「もうひとつの楽しみ」だ。
▷ 冷水と慢性ストレスの仕組みはこの記事で → 冷水は体に悪い?その思い込み、南山紘輝さんの話で全部ひっくり返った。
▷ 冷泉と水風呂、ふたつの冷たさを楽しめる → 京都・仁左衛門の湯|冷泉と水風呂、ふたつの冷たさを楽しむ温冷浴
▷ 地元のおばあちゃんに教わった冷たいお風呂 → 滋賀・蒲生野の湯|地元のおばあちゃんに教わった、冷たいお風呂の入り方
▷ 冷えに効く茶色いお湯で3時間の温冷浴 → 尼崎・つかしん天然温泉 湯の華廊|冷えに効くと教わって、夫婦で通うようになった茶色いお湯
気をつけてほしいこと
無理は禁物だ。心臓や血圧に持病のある方は、始める前にかかりつけ医に相談してほしい。水風呂でめまいがする、唇が紫になる、胸が苦しいと感じたらすぐに上がること。繰り返しになるけれど、水風呂は1〜2分の短時間で十分と言われている。
それから、温冷浴は更年期の症状を治す治療ではない。私の体はすごく楽になったけれど、あくまで私の体験だ。症状がつらいときは、ひとりで抱えずに婦人科に相談してほしい。
このシリーズの記事一覧
更年期と温泉・水風呂については、これから少しずつ記事を増やしていく予定だ。公開したらここに追記していく。
