この温泉も友達が「いいお湯だよ」と教えてくれて何回か行った温泉だ。今でも近くまで行くと「寄ろうか」と思う。三重県鈴鹿市の「鈴鹿さつき温泉」。JA(農協)が運営している、地元の人がメインの素朴なお風呂だ。
地下1,400mからざぶざぶのかけ流し
ここのお湯は地下1,400mから湧く源泉49.3℃の単純温泉。湯量がとても豊富で、循環させずに汲み上げたばかりのお湯をそのまま浴槽に流し込んでいる。ふちからざぶざぶあふれていく、気持ちのいいかけ流しだ。
お湯は少し熱いかなと思うくらいの温度。49℃の源泉をそのまま注いでいるのだから納得だ。私にはお湯の色が薄い緑がかって見えたのだけど、調べるとうっすら茶色や薄い黄色と紹介されていることが多い。光や浴槽の色で見え方が変わるのかもしれない。入っているあいだはさらりとしていてぬるっと感はあまりないのだけど、上がってから肌がしっとりしてくるお湯だ。なるほど美肌の湯と言われるわけだと思う。
表には温泉を汲んで帰れる場所もある。飲用ではなく、お風呂用に持ち帰る人のためのものだ。友人はこれを汲みに行くこともあったようだ。通い始めたころはちゃんとお湯が出ていたのだけど、何回か通ううちに気づいたら止まっていた。利用したい方は施設に確認してみてほしい。
おばあさんたちで、にぎやか
中は地元のおばあさんたちでいっぱいだ。たまにおばあさん同士で場所の取り合いの喧嘩が始まることもあって、にぎやかすぎてびっくりする瞬間もある。でも元気なお年寄りたちは本当に楽しそうで見ているこちらもなんだかうれしくなる。
背中を見て年齢を想像してしまう
ここで驚くのが、常連のおばあさんたちの肌がきれいなことだ。
内湯につかっていると洗い場で体を洗っている人の背中が見える。その背中を見ながら70歳にはなっていないくらいの方かなと思っていると、洗い終わって振り返られたお顔を見て、思っていたよりも10歳は年上だろうと気づいて驚くことが多い。だからここで背中を向けている方を見ると、ついつい背中からおいくつだろうと想像して、こちらを振り返られるのを待ってしまう(笑)。
ここのお湯は弱アルカリ性で、肌がツルツルになる美肌の湯と言われている。毎日のように入っていると本当に肌がきれいになることが、おばあさんたちを見ているとよくわかる。年間パスポートもあるようなので、ご近所の方はもう家でお風呂に入らない方も多いのかもしれない。そう想像するくらいに肌のきれいな方が多い。
思えば、常連さんの肌がきれいな温泉は、あとで調べると美肌の湯だったということが多い。効能より先に、入っている人の肌が教えてくれる。
小さいけどサウナも水風呂もある
ここは小さいけどサウナも水風呂もあるのがうれしい。お湯が熱めなので、水風呂でしっかり冷やせるのがありがたい。いつもの温冷浴がここでもできる。
(水風呂の入り方はこちらの記事に書いています。)
鈴鹿には、湧き水が汲める場所もある
そして鈴鹿には湧き水が汲める場所もある。新聞でも紹介されたことのある水で、町中なのにとても冷たくておいしい水を汲ませてもらえる。
場所はJA鈴鹿栄支店の駐車場だ。初めて行ったときは「入っていいの?ほんとにここ?」と入り口で戸惑ってしまった。それで、そばでお仕事をされていた方に「ここでお水が汲めると聞いたのですが」と声をかけてみた。
するとその方は手を止めて、汲み場の場所から汲み方まで本当に丁寧に教えてくれた。そしてこの水の話になると、少し誇らしそうにこう聞かせてくれた。
ここの水は夏でもとても冷たいよ。浅いところを通った水ではなくて深いところを通っているから冷たいし、ちゃんと鈴鹿の山の水なんだよ。僕たちは子どもの頃からこの水を飲んできてるんだよ
見ると水汲み場には水質調査の紙も貼ってあって「ちゃんと検査もされた水だよ」と、それも教えてくれた。
少し声をかけただけなのに、場所も汲み方も水のことも、こんなにうれしそうに教えてもらえるなんて。この町の方たちは本当にこの水に誇りを持たれているんだと思う。汲ませてもらった水は本当に冷たくておいしかった。いいお湯といいお水のある町は、それだけでいい町だ。
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三重のお湯を、連泊で巡るのもいい
三重にはアクアイグニス片岡温泉や湯の山温泉のグリーンホテルなど、いいお湯がそろっている。鈴鹿や四日市のビジネスホテルに素泊まりして、昼間は気になるお湯を巡る連泊旅も楽しいと思う。
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連泊とビジネスホテルを使った温泉巡りのまとめは、こちらの記事に書いています。
施設情報:鈴鹿さつき温泉(三重県鈴鹿市・JA鈴鹿運営)
泉質:単純温泉(弱アルカリ性・高温泉)。地下1,400mから湧く源泉49.3℃を100%かけ流し。美肌の湯。サウナ・水風呂あり。大人650円。定休日は木曜と第3水曜。
※この記事は個人の体験・感想をもとにしています。設備や営業情報は変わることがあるので、最新は施設にご確認ください。
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施設データ
- 泉質:弱アルカリ性単純温泉。地下1,400メートルから湧いている
- 源泉温度:情報源によって49℃・49.3℃・52.4℃と書かれていて、はっきりしない。公式サイトには温度の記載がない
- 似ているお湯:京都の仁左衛門の湯の1号泉と同じ「単純温泉」の系統。ただし仁左衛門の1号泉は25.7℃で冷たく、こちらは49℃前後の高温なのでそのまま入れる。「単純温泉」は成分が薄いという意味ではなく、特定の成分が規定量に届いていないという分類なので、効きが弱いわけではない
- 色:私には薄緑に見えた。外部のサイトには薄い黄緑色という記載もある
- 香り:外部のサイトに「かすかなモール臭」という記載がある。モール臭は植物が起源の香りで、蒲田の黒湯と同じ系統。ただしこちらは色がほとんどつかない
- 体感:入っているあいだはさらりとしていて、ぬるっとした感じは薄い。上がってから肌がしっとりする
- 循環ろ過:なし。公式サイトに「循環させずに浴槽に流し入れ、オーバーフローさせている」と明記。100%かけ流し
- 加水・加温・消毒:公式に記載なし(未確認)。※外部のサイトには「加水・加温・循環・消毒あり」と書かれているものもあって、公式の説明と食い違っている。こういうときは現地の掲示を見るのが確実なので、次に行ったときに確かめます
- 水風呂:あり(温度は未確認)
- サウナ:遠赤外線サウナ。平均約85℃
- 浴槽の深さ:未確認
- 料金:大人(中学生以上)650円/子ども200円。回数券6,500円
- 温泉スタンド:外に持ち帰り用のスタンドがあるけれど、私が行ったときは止まっていた(飲用は不可)
- アメニティ:未確認
- 駐車場:250台
- 犬:不可
- 休み:毎週木曜と第3水曜(祝日は営業)、年末年始。10時〜21時(最終受付20時)
※2026年8月に調べたものです。料金や設備は変わることがあるので、おでかけ前に公式サイトでご確認ください。「未確認」は、次に行ったときに現地で確かめます。

