先週は家族も私も仕事がバタバタして、夜はごはんを食べたら寝るだけの一週間だった。とにかく寝る時間までに用事を済ませて、いつもの時間に布団に入る。それだけを考えて過ごしていた。
そうなると、お風呂はどうなるか。家族全員がシャワーでパッと済ませるようになる。
「浸かったほうがいいよ」と言う余裕もなかった
いつもなら声をかける。でも先週は言わなかった。というより、言う余裕がなかった。
正直に書くと、私自身がありがたいと思っていた。誰も浸からないなら風呂桶を洗わなくていい。あの掃除がめんどくさい。シャワーで済むならそのほうが助かる、と。
温泉のブログを書いている人間が言うことではないのだけれど、そういう週は本当にある。
浸かっても「はやくはやく」になる
時間がないから浸かれないのだと思っていたけれど、少し違う。気持ちに余裕がないと浸かれない。
余裕がないときにお湯に入ると、頭の中が「はやくはやく」になる。次にやることが浮かんできて、結局短い時間で上がってしまう。湯船にいるのに、心が湯船にいない。
短い時間でも意味はあるらしい
これは調べて知ったことだけれど、短い入浴も無駄ではないそうだ。
体の芯の温度を上げるには40℃くらいで10分から15分は浸かる必要がある。眠りが深くなるのはこの働きなので3分では届かない。
でも水圧と浮力は浸かった瞬間から働いている。水圧は足にたまった血を押し上げてくれるので立ち仕事のむくみには短時間でも効く。浮力で体が軽くなって肩の力が抜けるのも、数分で起きる。
つまり短い入浴は失敗した入浴ではなくて、目的が違う入浴なのだと思う。眠るためではなく、むくみを抜いて力を抜くため。そう思えば3分でも仕事をしている。
▷ 水圧の話はこちら → お風呂の水圧って体にどう働く?|温熱・水圧・浮力と、立ち風呂の水圧は約2倍
ひとつだけ、忙しい日の3分は温度に気をつけたほうがいい。温度が高いと体が戦う方向に行くので「はやくはやく」がもっと強くなる。ぬるめにして5分のほうが、体はゆるむ。
それでも「もったいない」が出てくる
家族が浸からない。自分も短時間で上がる。それなのにお湯は一杯分ためている。
そうなると出てくるのが「もったいない」だ。
昭和の生まれだからかもしれない。残り湯を洗濯に使えばもったいなくない、と頭では分かっている。でも忙しいときはそれを考えることすら負担になる。
この夏のはじめ、冷房を我慢して体を壊しかけた話を書いた。あのときも「もったいない」だった。電気代がもったいなくて暑いのを我慢して、ホットフラッシュと眠れない夜がひどくなった。
同じ癖が、お風呂でも出てくる。もったいないと思う気持ちが、いつも私の体を少し削る。
▷ 更年期に冷房を我慢しない|ホットフラッシュと眠れない夜が、たった1日で楽になった
やめなかったこと|朝の水シャワー
そんな一週間でもやめなかったことがある。朝の水シャワーだ。
夏は一日も休んでいない。暑い日は朝に水を浴びておくほうが、その日の体が楽になる。だから浴びる。
そもそも水を浴びるようになったのは冷たい水に入ると体が自分で熱を作るようになると知ってからだ。あの話を読んでからこれは続けようと決めた。
▷ 冷水は体に悪い?その思い込み、南山紘輝さんの話で全部ひっくり返った。
朝の水シャワーは浴びるだけだ。頭も体も洗わない。ただ水を浴びて、上がる。
正直に言うと、本当に効くのは冬の水だと思う。冬の水は本当に冷たくて、体に大きな刺激が入るのが分かる。夏の水にはそれがない。ひたすらすっきりする、という感じだ。
▷ 冬の朝、水シャワーを浴び続けたら寒さに強くなった話|自律神経とヒートショック
氷を入れれば冬に近づけられるのだろう。でも氷を入れるとなると、それはもう水シャワーではなくて氷風呂だ。水をためることになる。
そうなると、またあの「もったいない」が出てくる。お金も、毎朝それを用意する時間も、そこまでやる気持ちも、私にはない。
だから夏は夏の水の温度で我慢している。
その代わり、夏は少し長めに浴びる。短く浴びて終わると、体が「熱を逃がさないぞ」と反応してぐっと熱くなる。夏はその反応を起こしすぎないほうがいいので長さで補って体がしっかり冷えるようにしている。
夜のシャワーも夏は水で済ませる
夜のお風呂も、夏は水で済ませてしまう。こちらは頭も体も洗う。
素直にお湯にすればいいのだけれど、お湯を出そうとするとしばらく待たないといけない。その小さなことが面倒になる。水はすぐ出てすぐ終わるから。これはお湯を我慢するのが苦ではないから浮かぶ面倒なのだろう。横着なのかも知れないが。
そしてここ数日、夜の暑さが少しマシになってきた。ということは水道から出てくる水も少し冷たくなっている。夏はシャワーを水だけで済ませるので少しの涼しさでも体感では大きい。
冷たさを強く感じるときは朝とは逆にする。水に当たる時間を短くするのだ。まず足と手に水をかけて、体にかからないように頭を洗って、最後に体を洗う。それから全身にサッと浴びて上がる。
朝は長め、冷たく感じる夜は短め。同じ水シャワーでも季節と時間帯で使い分けている。
つまり水シャワーをやめるという選択はしない。浴びる長さを変える工夫で乗り切っている。
ただこれは浴び慣れた体の話だ。慣れていない人には夏の家の水でも十分に冷たいと思う。無理はしないでほしい。
シャワーだけの一週間で出てきたもの
水だけで過ごした一週間の終わりに、体に出てきたものがある。
足元の冷え。それに首と肩と背中の、冷えというかコリのようなもの。「季節が少し進んだから冷えが出てきたのだな」と思った。
足元の冷えはたぶん時間帯のせいだ。15時くらいからの気温が少し前よりマシになってきているので28度の設定でもサーキュレーターで空気を回していると足元が冷えてくる。
首と背中は少し冷えた状態でパソコンを使い続けるから余計に固まるのだと思う。
それと足のむくみ。私は立ち仕事なのでもともと夕方には足がむくむ。ふだんは湯船に浸かれば戻るのだけれど、シャワーだけだと残ったままになる。残ったまま次の日の立ち仕事が始まるので日に日にひどくなっていった。
▷ 立ち仕事のむくみの話はこちら → 温泉で足首を見ていて気づいた足の話|立ち仕事のむくみと、丸五の足袋シューズ
▷ 押しても戻らないむくみが怖くなった話はこちら → 押しても戻らない足のむくみ|知れば怖くなくなる
それに夏は朝の体操をサボりがちになる。暑いと、体がこれ以上汗をかくのを拒否する。もともと運動が苦手なのでなおさら止まる。朝に動かないと首と肩が固まるのは分かっているのだけれど。
それでも去年とは違った。
去年は下腹部、恥骨の少し上のあたりを触ると、すごく冷たかった。
お腹は内臓のある場所だから本当は体でいちばん温かいはずのところだ。芯の熱が足りているかを、いちばん確かめやすい場所でもある。それなのに、夏でもそこがものすごく冷たい。
ここが冷たいから体も寒いと感じるのだと思う。
だから去年は汗が出ていても下腹部にカイロを貼っていた。表面は汗をかいているのに芯が冷たいのでカイロで汗をかくのが気持ちよかった。芯が冷たいまま汗をかくと、その汗で余計に冷えて震えてしまう。
今年は下腹部が冷たくない。汗をかいても震えない。今カイロを貼ったら、たぶん逆にしんどくなると思う。芯の熱が上がりすぎて、くらくらしそうだ。
だから今年の対処は軽くて済んだ。短いレッグウォーマーを靴下の上に重ねる。寝るときはレッグウォーマーだけをつけて寝る。それくらいで、大きな不調にはならなかった。
▷ 更年期の冷えは変えられる|去年はカイロ、今年は芯が冷えない私の実感
でもエアコンは切らない
足元が冷えるなら、エアコンを切ればいいと思うかもしれない。でも今年はしない。
この夏のはじめ、冷房を我慢して体を壊しかけたからだ。あれで学んだ。冷えたからとエアコンを消すと、たぶん別のしんどさが来る。
だから冷やすことはやめない。切るのではなく、ほかの手で調整する。温度を少し上げる。ストレッチをする。冷やしながら、温める場所を作る。
これを書いていて気づいたのだけれど、もう一つ手があった。あずきのチカラだ。レンジで温めて、肩に載せながら仕事をすればよかったのだ。
今回はそれをしなかった。面倒だと思う前に、思いつきもしなかったのだ。思いつかなかったから首と肩の固まりをそのまま抱えて一週間を過ごした。
次に同じことが起きたらやってみよう。エアコンを切るより、今年の私にはそのほうが合っていると思えるのだ。
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土曜の三時間で戻った
週の後半に二日ほど朝の体操をして、首と背中をごまかしながら過ごして、土曜の夜にいつもの温泉の時間が来た。
入ってみて、すぐに分かった。水風呂に、いつもより長く入れない。
お湯に長くいると暑いのに、水に入っても気持ちよくない。寒いと感じる。矛盾しているようだけれど、これは芯が冷えているときの感じだ。
そこで入り方を変えて、三時間かけて戻した。やり方は長くなるので別に書くけれど、上がったときには足元の冷えも、首と背中のコリもなくなっていた。
▷ そのやり方はこちら → 深部体温が上がらない日の温冷浴|一瞬の水風呂と、三つの入り方
その夜はしっかり眠れた。翌朝も冷えは戻っていない。一週間浸かれなかった分は土曜の三時間でリセットできたようだ。
季節が動き始めた
ここ数日、朝いちばんの暑さが少しマシになった。まだまだ暑いけれど、確かに変わってきている。
朝が許せる暑さになってきたので朝の体操も少しずつ復活してきた。これから涼しくなると、今度は逆になる。朝に軽く動いて体を温めておかないと、水シャワーが浴びられない。水を浴びるために動かなければならない季節がやってくる。
浸かれない週があってもいい。私はそういう週を過ごしたし、たぶんまたある。それでも季節は動いて、また浸かりたくなる日が来る。
最後にひとつだけ
水風呂や温冷浴のことを書いていると、真似したくなる人がいるかもしれない。だから書いておきたい。
私は何年もかけて慣らしてきた体だ。急に同じことをしないでほしい。体調の悪い日はやめて、不安があれば医師に相談してから始めてほしい。
でもほんの少しずつでもやっているうちに体は慣れる。続けることは無駄にならない。
だって、70代80代のおばあさんが水風呂に入っているのだ。若い20代の子が「冷たくて無理」と騒いでいる横で、ザブーンと入っていかれる。
あれは驚くし、続けることの意味を感じる。継続は力なり、無駄な努力はない。その見本のような気がする。

