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暑い日は手と首を水で冷やす|更年期の夏はこまめに熱を逃がして過ごす

洗面台で腕に水をかけて、体の熱を逃がしている様子のイラスト からだと暮らし

夏になると私は一日に何度も手や腕を水で濡らして体の熱を逃がしている。家事をしていて暑くなったとき。犬の散歩から帰ってきたとき。手を洗うついでに袖をまくって肩の近くまで水で濡らす。たったこれだけですーっと涼しくなる。

濡らして乾くのを待つ

冬に冷たい水で手を洗うときは、しっかり冷えたと思ったらすぐ拭く。濡れたままにはしておかない。でも夏はその逆だ。濡らしたらあえて拭かずに乾くのを待つ。

濡れた肌が乾くとき水が蒸発するのに体の熱を奪っていく。いわゆる気化熱だ。打ち水で涼しくなるのと同じで体の表面から熱がすっと引いていく。だから「濡れたまま乾かす」のはだらしないようでいて実はちゃんと体を冷やす方法なのだと知った。

調べていて、大事なことに気づいた。汗は、かいただけでは体を冷やさない。蒸発するときに初めて熱を奪う。

つまり汗をタオルで拭き取ってしまうと、これから熱を持っていってくれるはずだった汗を取り除いていることになる。

湿度の高い日がつらいのも、これで説明がつく。空気が水を受け取れないので汗が肌に残ったまま蒸発しない。気温が同じでも、じめじめした日のほうが体に熱がこもる。

汗をかいているのに涼しくならない日は、汗のせいではなく湿度のせいだ。

熱中症の目安でも、気温が30℃くらいでも湿度が80%を超えると運動は原則中止とされている。「今日は30℃だから大丈夫」とは言えないということだ。

気温は毎日見るのに、湿度はあまり見ていなかった。暑さのつらさを決めているのは、気温だけではない。

首も同じだ。夏は首にかいた汗をそのままにしておくと刺激になってかゆみが出てくる。だから首も汗を洗い流すようにしっかり濡らす。するとかゆみが防げるうえに熱もちゃんと下がる。一石二鳥だ。

手や首が効くのは血管のせいらしい

なぜ手や首を冷やすとこんなに涼しくなるのだろう。気になって調べてみたら理由があった。

首には太い血管が皮膚のすぐ近くを通っているので冷やすと血液が冷えて効率よく体温が下がる。そして手のひらや手首には「動静脈吻合(どうじょうみゃくふんごう)」という血管があって、ここを冷やすと冷えた血液が体の中に戻って深部体温が下がりやすいのだそうだ。

この「動静脈吻合」は実は前に温冷浴の記事で書いた「あまみ」の血管と同じもの。あのとき覚えた言葉がこんなところでまた出てきた。手を冷やすのが涼しいのは気のせいじゃなかったわけだ。

▷ 「あまみ」の話はこちら → 鬱々を温泉で流しきった週末|3時間の温冷浴と、冷たさに慣れていった体

冷やしすぎると、かえって熱が逃げない

もうひとつ、意外なことが分かった。

動静脈吻合は、体温が上がると開いて、一度にたくさんの血液を流す。手のひらが体の放熱口になるわけだ。

ところが冷やしすぎると、この血管が縮んで閉じてしまう。開いていた放熱口が塞がるので、熱を逃がせなくなる。

目安は10〜15℃くらいのぬるめの水に、5〜10分。氷水や保冷剤を直接あてるのは、冷たすぎて逆効果になりうる。

これを読んで、ほっとした。私がやっているのは、水道の水で濡らすだけ。保冷剤も濡れタオルも持ち歩かない。それがちょうどよかったということになる。

手っ取り早く冷やそうとして氷を握るより、ぬるい水で長めのほうが効く。

5〜10分と聞くと長く感じる。私がやっているのは洗面所でさっと濡らすだけなので、そこまで丁寧ではない。しっかり下げたいときは、洗面器に水を張って手を浸けておくといいのだと思う。

洗面器に張った水に両腕を浸け、シャワーの水を当てている
洗面器に水を張って、腕まで浸ける。しっかり下げたいときはこうする。

動静脈吻合は、顔にもある

この血管があるのは手のひらだけではない。足の裏、そして頬や鼻、耳たぶにもあるとされている。

暑いときに顔が赤くなったり、耳が熱くなったりする。あれも熱を逃がしている最中なのだと思うと、体のつくりがよくできているなと思う。

外でもトイレで同じことをする

この方法は外出先でも同じだ。暑くてたまらなくなるとトイレを借りて手や腕や首を水で濡らす。

ハンカチを濡らして持ち歩くのはかばんの中で困るし、小さな扇風機で風を浴びるのもあまり好きじゃない。だから外でも洗面所でさっと濡らして終わり。ちょっと濡れていてかっこ悪いけれど私は楽さのほうを優先する。若い頃は人の目が気になったのに、今では濡れた腕を振りながら平気で歩いている。かっこよりも涼しいが勝ちだ。これはもう、りっぱなおばちゃん根性。おばちゃんは強い。

ちなみに濡れタオルや保冷剤も持ち歩かない。うちの夫はというと空調服を愛用している。人それぞれ自分に合った涼み方があるものだ。

冬は温め夏は冷ます

こうして書いていて面白いなと思う。同じ「水で濡らす」でも冬と夏では目的が正反対なのだ。

冬は冷たい水で手を洗って十分に冷えたらすぐ拭く。温まるまで待つわけではないけれど、拭いたあと体の反射でじんわりぽかぽかしてくる。夏は逆に濡らしたら拭かずに乾くのを待って気化熱でひんやり冷やす。同じ水と同じ手なのに季節によって真逆の使い方をしている。体ってうまくできているなあと思う。

▷ 冬に冷たい水で手が温まる話はこちら → 更年期の冷えは変えられる|去年はカイロ、今年は芯が冷えない私の実感

去年は暑いのにお腹が冷えていた

去年の夏も同じように手を濡らして過ごしていた。でも今年とは少し感じ方が違った。

去年はお腹のあたりの冷えをすごく感じていた。汗はかくのだけれど「暑くてたまらない」という感じではなかったのだと思う。暑くて汗も出るのにお腹だけは寒い。だから汗はタオルで拭くくらいで済ませてもそれで問題なかった。

それが今年は体の芯が冷えていないぶんちゃんと暑さを感じる。だからこそこまめに熱を逃がすようにしている。去年より体が変わったからこそ今年の過ごし方になっているのだと思う。

更年期は暑い場所で交感神経が上がりすぎるとホットフラッシュや不調が強く出やすい。だからこまめに熱を逃がすことには涼しくなる以上の意味があると感じている。

▷ 暑さと更年期の話はこちら → 更年期に冷房を我慢しない|ホットフラッシュと眠れない夜が、たった1日で楽になった

そしてめちゃくちゃ暑い日は我慢せずにすぐ水シャワーに入る。これが一番早い。

▷ 水シャワーの流れはこちら → 温泉に行けない日の温冷浴|家のお風呂と水シャワーで、自律神経を毎日整える

気をつけたいこと

気持ちいいからといって冷やしすぎには注意している。濡れたまま冷房や扇風機の風に長く当たると今度は芯まで冷えてしまうことがある。特に更年期は冷えやすいのでほどほどに。

それから屋外で扇風機だけを当てると汗が飛びすぎてかえって熱がこもることもあるそうだ。冷やすならやっぱり水で濡らすのが確実だと思う。

もうひとつ覚えておきたいのは、太い血管が皮膚の近くを通る場所は三つだということ。首、脇の下、足のつけ根。

私が首をしっかり濡らすのは、たまたまその一つだった。本当に暑くて危ないときは、この三か所を冷やすのが応急処置として知られている。

そこまでいく前に、こまめに熱を逃がしておきたい。この記事に書いてきたのは、全部そのための工夫だ。

※これはあくまで日常の暑さしのぎの話です。めまい・吐き気・頭痛・体に力が入らないなど熱中症が疑われるときは別です。すぐに涼しい場所へ移って水分と塩分をとり、ためらわず医療機関に相談してください。

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