帰る日の朝、5時前に部屋を出た。
泊まっていたのは河津七滝オートキャンプ場のコテージで、滝の遊歩道まで歩いて行ける。
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夏の観光地を歩くなら、この時間がいちばんよかった。
朝5時前なら、夏でも寒いくらい
この時間だと夏でも寒いくらいで気持ちいい。犬も暑さにバテないし、人と会うことも少ない。

うちは中型犬3匹。道が狭いので一人で何匹も持つのは大変だからリードは一人ずつ持った。

途中に、川へ湯気が流れ込む場所がある

歩いていると、川に湯気が立ちのぼっている場所があった。洞窟温泉のお湯が流れ込んでいるらしい。
この土地の源泉は熱い。泊まった部屋の分析書には54.3℃と書いてあったので、あれだけ湯気が立つのも当たり前だ。
初景滝までは、舗装された道
遊歩道は、初景滝までは舗装されている。伊豆の踊子の像があるのもここだ。

パンフレットを見て知ったのだけれど、ここまでは車いすで来られる。町営駐車場から初景滝まで車いすで行けて、宿や飲食店で無料の車いすを貸し出していると書いてあった。
足に不安がある人でも、ここまでなら滝を見られるということだ。
「ここから階段が続きます」

マップにも、赤い字ではっきりそう書いてある。
実際にここまで来ると、やめたくなる。ここまででも十分歩いたし、この先は階段だ。
でも、ここからが本番だった
ここからが自然の道になる。
空気も気持ちいいし、涼しさも格別になる。絶対に行った方がいい。

狭い道と、橋なのに階段

橋なのに階段になっているところもある。道が狭くなるところもある。

犬連れだと、人とすれ違うときに気を遣う。早朝はほとんど人がいなかったので、そこも楽だった。
足袋シューズは滑らなかった
履いていたのは、いつもの白い足袋シューズだ。濡れた石の道でも滑らなかった。
長距離を歩いても足が疲れないので、こういう旅行先にはすごくいい。そして自然の中を歩いて靴が汚れても、帰って丸洗いできるので気持ちが楽だ。
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あの岩肌は、2万5000年前の溶岩だった

歩いていて気になったのが、この独特の岩肌だった。説明板を読んで、正体が分かった。

およそ2万5000年前、登り尾南火山から流れ出した溶岩が、この谷に流れ込んだ。
溶岩は冷えると縮む。そのときに割れ目ができる。それが柱のような形になったものを「柱状節理(ちゅうじょうせつり)」という。
そこに川が流れはじめた。川は長い時間をかけてかたい溶岩を削り取っていって、溶岩の内部にあった柱状節理が、姿を現した。
つまりこの岩肌は、2万5000年かけて川が掘り出したものということになる。

そしてもうひとつ、面白いことが書いてあった。足もとや滝つぼ付近の岩には、柱状節理ができていない。あれは溶岩が流れ下る前に地表を作っていた、もっと古い地層なのだそうだ。
その場で見比べられる。知らなければ、ただの岩だった。
七つの滝を、全部見た
遊歩道は全長850メートル、片道およそ1時間。私たちも1時間くらいだった。中型犬は歩くのが早いので、人と同じペースで歩けた。
| 滝 | 落差 |
|---|---|
| 大滝(おおだる) | 30m |
| 釜滝(かまだる) | 22m |
| 初景滝(しょけいだる) | 10m |
| エビ滝(えびだる) | 5m |
| 蛇滝(へびだる) | 3m |
| カニ滝(かにだる) | 2m |
| 出合滝(であいだる) | 2m |

ちなみにこの遊歩道は、ミシュラン・グリーンガイド・ジャポンで二つ星だそうだ。「寄り道する価値がある」という評価らしい。
大岩成就に、三人で一回ずつ投げた

石を投げて岩の上に乗れば願いが叶うのだそうだ。3つの石で100円。
ところが小銭入れを持っていたのが私だけで、160円しかなかった。だから3人で100円を払って、一回ずつ投げた。
結果はこうだった。
- 夫は、しめ縄に引っ掛かった
- 娘は、岩より遠くに投げてしまった
- 私は、岩に届かなかった
三人とも外したけど楽しく解釈した。
夫には「今やってることは外れてない。このまま続けるといいってことじゃない?」
娘には「ちょっと思ってることが大きすぎるのかも?」
自分には「今やってることが、まだ夢までは足りない。やり続けるべしってことかな」
夫が笑って聞く。「良いように考えすぎかもしれんけど、思い込むといいんやんな?」
「そう。脳は思い込むとそう動く。だから良いことを信じ込んで努力すると叶う」
脳科学の南山さんが言っていたことだから、私はそれを信じている。
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春なら、河津桜
私が行ったのは夏なので見ていないけれど、河津桜は早咲きの桜で、2月から3月上旬に咲く。河津川沿いが有名で、桜まつりもある。
七滝は同じ河津町の山側なので、春に来る人は、桜と滝を一緒に回れるということになる。
行きたかったのに、行けなかった二つ
近くにあるのに、行けなかった場所が二つある。
ひとつは峰温泉大噴湯公園。
- 100℃の温泉が、毎分600リットル噴き上がる自噴泉
- 1日7回。9時30分から15時30分まで1時間おきに、1回およそ1分
- 入園無料。足湯や、温泉たまごを作れるコーナーもある
私がここを見たかったのは、100℃が自分で噴き出しているというところだ。それは水で薄めなければ入れない温度ということでもある。
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もうひとつは旧天城トンネル(天城山隧道)。
- 明治37年(1904年)完成。全長およそ445メートル、標高およそ710メートル
- 石造りの道路トンネルとして、日本で最長かつ最古
- 2001年に、道路トンネルとしては全国で初めて国の重要文化財に指定された
- 川端康成の『伊豆の踊子』に出てくるトンネル
⚠️ ひとつ気をつけることがある。トンネルへ続く旧道は未舗装の細い林道で、車1台分の幅しかない。すれ違いができないので、近くの駐車場に停めて歩いて向かうことがすすめられている。知らずに車で入ると、怖い思いをすると思う。
どちらも行けなかった理由は同じだ。部屋のお風呂が気持ちよすぎて、引きこもってしまった。
次に来るときは、絶対に見る。
行く前に確認しておくこと
私が行ったのは2026年8月です。時間や料金は変わることがあるので、出かける前に公式で確かめてください。
- 河津七滝の遊歩道……河津七滝観光協会。大雨や台風のあとは通れなくなることがあるので、そこも確認を
- 河津桜の開花……河津町観光協会の河津桜のページ。咲く時期は年によってずれます
- 峰温泉大噴湯公園の噴き上げ時刻……河津町観光協会(電話 0558-32-0290)。1日7回・1回約1分なので、時間を外すと見られません
- 旧天城トンネル……伊豆市観光情報サイト。河津町ではなく伊豆市にあります。旧道の状況もここで確認できます
それともうひとつ。雨のあとは、滝の道の石が滑りやすくなります。初景滝から先は階段が続くので、靴だけは気をつけたほうがいいと思います。
早朝に歩くという贅沢
滝を歩いて部屋に戻り、汗を流すために最後のお風呂に入って、片付けて出発した。

夏の観光地は暑くて疲れるものだと思っていた。でも5時に歩けば、涼しくて、誰もいない。
そしてもうひとつ。初景滝で引き返さないこと。それだけで、まったく別の道になる。
▷ 泊まったキャンプ場のこと → 伊豆・河津七滝オートキャンプ場|子連れ・犬連れで泊まった、ベランダ源泉かけ流しのコテージ

