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滋賀・蒲生野の湯|地元のおばあちゃんに教わった、冷たいお風呂の入り方

「蒲生野の湯」の赤い丸看板が掲げられた建物の外観イラスト 温泉のある場所

滋賀県に出かけたとき、たまたま見つけた温泉。竜王町にある、地元の人にとても愛されている温泉だ。

行ってみてまず驚いたのが、お年寄りの多さ。ご家族に車で送ってもらって来ている方もよく見かけた。みんな、このお風呂に入るのを本当に楽しみにしているのが、見ているだけで伝わってくる。

おばあちゃんたちの井戸端会議が、面白い

ここはとにかく、常連のおばあちゃんたちが多い。

会話を聞いていると、自分で車を運転して来られるのが、ちょっとした誇りみたいだった。「私は自分で運転して来てるのよ」なんて声も聞こえてくる。たしかに、その年でご自身で運転して通うって、すごいことだなあと思う。

あちこちで始まるおばあちゃんたちの井戸端会議が、耳をすませているとなかなか面白くて、ついつい聞いてしまう(笑)。

当時の私には、はじめての“冷たいお風呂”

ここには、加温していない源泉そのままのお風呂がある。外にあって、体温より低いくらいのぬるさだ。

今でこそ温冷浴や冷たいお湯にも慣れたけれど、当時の私にとっては、こういう冷たいお風呂に入るのが初めてだった。しかも、はじめて来たのがちょうど真冬。体温より低いお湯は、冬だとよけいにかなり冷たく感じて、最初は入り方に戸惑ってしまった。

それなのに、おばあちゃんたちは平気な顔で長く入っている。すごいなあ、と思いながら見ていた。

首までこっぽり浸かると、冬でも入れる

そんな私に、ひとりのおばあちゃんが教えてくれた。

この冷たいのはね、首までこっぽり浸かるのよ。そうしたら、この寒い季節でもゆっくり入れるから、やってみるといいよ。

言われたとおりにしてみると、たしかに。首までしっかり浸かると、冷たい風に体がさらされない。外にあるお風呂だから、これが効くのだ。肩を出していると寒いけれど、首まで入ってしまえば、寒さがぐっとマシになる。

なるほどなあ、と感心した。常連のおばあちゃんにこういう入り方を教わるのが、私はけっこう好きだ。

指先が、ドクドクしてくる

この冷たいお風呂に入っていると、指先がドクドクしてくる。

気になって調べてみたら、冷たい水に体をしばらくつけていると、最初は冷えから守るために血管がきゅっと縮むのだけれど、そのあと今度は、指先の血管がリズミカルに広がったり縮んだりを繰り返す反応が起きるそうだ。「寒冷誘発血管拡張反応(ハンチング反応)」と呼ばれていて、冷えすぎて指先がダメージを受けないように、体が血を送り込もうとする防御反応なのだという。

なるほど、と思った。私が感じる「指先のドクドク」は、たぶんこの血のめぐりなのだろう。この感覚はほかの温泉ではあまり感じないので、ここならではの特徴だと思う。

それに蒲生野の湯は、血行を促すといわれる弱放射能(ラドン)を含み、塩化物泉でよく温まるお湯でもある。冷たさだけでなく、こうした泉質も、あのドクドクに関係しているのかもしれない。

熱いお湯と、冷たいお湯を行ったり来たり

ここでの私の入り方は、熱いお湯に入って、水風呂に入って、また冷たいお風呂へ。これをぐるぐる繰り返す温冷浴だ。

ちょっとややこしいのが、お風呂の場所。加温された熱いお湯と、冷たいお風呂は外(露天)にあるのだけど、水風呂だけは室内にある。だから外と中を行ったり来たりすることになって、正直ちょっと面倒(笑)。それでも、私には水風呂が欠かせないので、ちゃんと入りに行く。

正直に言うと、熱いほうは循環のお風呂で、少し消毒が強めなのが私はちょっと気になる。でも、この冷たいお風呂はなかなかほかにない体感なので、今もポツポツと通っている。

冬と夏で、入りやすさが変わる

冬は、この冷たいお風呂に入るのは常連さんくらい。だから小さなお風呂でも、わりとゆったり入れる。

でも夏は、ひんやりが気持ちよくて入る人が増えるので、すぐにいっぱいになる。女湯は、夏になると二つ目の湯船にも冷たいお湯をためてくれるので、夏でも入りやすい。

男湯は夏でも一つだけらしく、夫は「いっぱいで入れなかった」と言ったりしていた(笑)。


蒲生野の冷たいお風呂は、ほかではなかなか味わえない感じ。たまに思い出したように、また行きたくなる温泉だ。

ちなみに、蒲生野のひんやりしたお湯は格別だけれど、冬の冷えた日や、しっかり温まりたい日もある。そんな日は、家で炭酸系の入浴剤を使って“おうち温泉”にしている。芯から温まって、湯冷めしにくいのがありがたい。

私がよく使っているのは、このあたり。
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遠くから来るなら、泊まりはビジネスホテルが便利

遠くから蒲生野の湯に来るなら、滋賀のビジネスホテルに泊まって温泉を巡るのもおすすめ。私が連泊で温泉旅をするときは、たいていビジネスホテルの素泊まりにしている。

旅館の豪華なごはんが続くと食べ過ぎてしんどくなるので、食事は自分で調整したいから。素泊まりなら体も楽だし、宿泊費を抑えたぶん、あちこちの温泉をゆっくり楽しめる。

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▷ こんなふうに連泊で温泉を巡っています → 温泉の連泊、どう過ごすか|湯めぐりと湯治は別だった。私の3つの型

施設情報:天然温泉 蒲生野の湯(滋賀県蒲生郡竜王町)
泉質:含弱放射能-ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩温泉
特徴:滋賀県では数少ない源泉かけ流し。加温していない源泉そのままのお風呂があり、体温より低い、ひんやりとした湯あたりが特徴。地元の常連さんに親しまれている日帰り温泉。

※この記事は個人の体験をもとにしています。お湯の温度や浴槽の状況は季節や時期によって変わる場合があります。

▷ 次の話 今回ラドンに興味がわいたので、京都・北白川 不動温泉|お寺の湯治場で、ラドンの湯気に包まれた一日

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天然温泉 蒲生野の湯の名前が入った、薄い黄緑色の薄手の温泉タオル
蒲生野の湯のタオル。薄い黄緑色に墨色の字

ここで買ったタオル。薄い黄緑色に、墨のような色で名前が入っている。長く使っているので、色は少し変わっているかもしれない。

書いていて気づいたことがある。ここのお湯も、薄い黄緑色だ。タオルが、お湯と同じ色なのだ。

尼崎の湯の華廊でも同じことを思った。あちらは茶色いお湯に、薄いオレンジのタオルだった。

あちらは鉄の入った濃いお湯で、白いタオルだと茶色く染まってしまう。だから色移りを考えた色なのかもしれない、と思った。ここのお湯は、色がつくほど濃くはない。それでも、お湯の色に合わせてある。

お湯の色を、そのままタオルの色にする。その土地のお湯を持ち帰れる形にしているみたいで、いいなと思った。

施設データ

  • 場所:滋賀県蒲生郡竜王町山之上
  • 泉質:含弱放射能-ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩温泉(低張性・弱アルカリ性)
  • 源泉温度:38.8℃
  • 似ているお湯:六甲おとめ塚や仁左衛門の2号泉と同じ「炭酸水素塩+塩化物」の系統に、京都の不動温泉のような弱い放射能(ラドン)が少し加わったお湯。ふたつの性質を持っている。それに源泉が38.8℃というのは体温より少し高いだけなので、冷泉ではなくて「ぬる湯」。だから長く入っていられる
  • :無色透明
  • 香り:源泉の湯口では、かすかに金気(鉄)の匂いがするという記述がある。ほかの浴槽については、塩素の匂いがするという口コミもある
  • 源泉浴槽は、加水・加温・循環・消毒がすべてなし。露天にある丸いタイル貼りの浴槽で、5〜6人ほどの小さなもの
  • ほかの浴槽:循環と消毒をしていると思われる(塩素の匂いの口コミがある)。完全なかけ流しは源泉浴槽だけ
  • 源泉浴槽の実際の温度35℃前後。源泉は38.8℃だけれど、浴槽に届くまでに冷えて、外にあるので外気でも冷える。だから体温より低く感じる。夏はちょうどよくて長く入れるけれど、冬は震えるほど冷たい。慣れていない人は足を入れただけでやめてしまうこともある
  • 浴槽:露天=大きな岩風呂と円形のかけ流し浴槽/内湯=ジェット風呂、電気風呂、寝湯。全部で7種類
  • :浴槽の中でかなり発泡して、お湯が薄く白濁して見えるほど。つるぬるした感じと泡付きがある
  • 水風呂:未確認(源泉浴槽が35℃前後なので、水風呂の役割はそちらが果たす)
  • サウナ:あり(タワーサウナ)
  • 浴槽の深さ:未確認
  • 料金:平日 大人900円/土日祝 大人1,000円。子ども(4歳〜小学生)は500円
  • 営業時間:10時〜22時。毎週木曜が休み(祝日の場合は営業)
  • アメニティ:未確認
  • 駐車場:100台・無料
  • :不可

※2026年8月に調べたものです。料金や設備は変わることがあるので、おでかけ前に公式サイトでご確認ください。「未確認」は、次に行ったときに現地で確かめます。

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